From BROADWAY WITH LOVE~ブロードウェイより、愛を込めて~
コロナ禍になって、首都圏でHKT48を見る機会がすっかり減ってしまった。
九州から関東まで大勢のメンバーやスタッフを移動させるのはリスクが高いから、地元・九州での活動を優先させる方針に転換するのはもっともなことだと思うし、運営がかわったのだからコロナに関係なくそうなるのは当然といえば当然なんだけれどね。
ということで、HKTメンバーをリアルで見ることができる“イベント”に参加したのはこれが今年初めてとなった。
コロナ禍になってから見たHKT関連“イベント”はこれが2回目だが、去年秋に見たものも“コント劇”という舞台ものだからな…。
さくらたんの卒コンも、もりぽの卒コンも福岡のみでの開催だし、HKTのコンサートを首都圏で見る機会って、今後ないのだろうか…。
今のところ、今年はフィジカルで開催されそうなTOKYO IDOL FESTIVALに期待するしかないのかな…。
ちなみに本公演を見ようと思ったきっかけは、ここまでの文章を見ても分かるように、HKTメンバー(豊永阿紀)が出演しているからだ。
彼女は決して、誰もが知っているようなメンバーではないかもしれないが、過去に出演したコント劇での演技や、彼女が日々発信しているSNSにアップしている写真などを見た際に、クリエイティブな才能を感じていたので、彼女がAKBグループの“村外”に出て(コント劇は他のHKTメンバーも出演していた)ミュージカルに出演するというのは非常に期待値が高まる案件でもあった。
実際、彼女の演技やミュージカル歌唱は、十分に期待に応えるものだった。
今後も演技仕事を続けていって欲しいとは思った。
演じた役はノーマ・ジーン。映画ファンなら誰もが知っているマリリン・モンローの本名だ。
キャストのクレジットでは3番手だから出番が少ないのは仕方ないかなと思いつつも、ノーマ・ジーンというキャラクターを出しておいて、その程度の出番なのかというモヤモヤ感を抱きながらの鑑賞となったが、エンディングを見て納得した。まぁ、そういうオチになるよねって感じかな。
ストーリー全体を簡単にまとめれば、能力でも容姿でもなんでもいいが、自分がピークを過ぎたと自覚したら、後進潰しをしたり、老害化するのではなく、素直に自分の停滞を認め、後進にチャンスを与えようというメッセージを伝えているのだと思う。
そして、それと同時に野心たっぷりで、まだまだ才能が枯れていない先輩を潰すことに躍起になっているとんでもない後輩もいるから、そこは騙されないようにしなさいというメッセージも込められているような気がする。
「雨に唄えば」とか、「アーティスト」みたいな新旧交代ものと言ってしまえば、それっきりなんだけれどね…。
要は芸能界を含めた、いわゆるクリエイティブ職とカテゴライズされる業界に属している人間には心当たりだらけの作品ということかな。
あと、妹・ジェニー役の娘が可愛いと思った。
ところで、最近の演劇の公演というのは演者がヘッドセットをつけて演技するというのが当たり前のようになっているが、本公演のような小劇場の公演では不要では?
たかが、242席(本公演では1列目が空席となっていたから実際はもっと少ないはず)しかないシブゲキのような小劇場の客席全てに肉声を届けられないような役者は舞台に出る資格はないと思うけれどね。
それから、ヘッドセットを装着しているせいで、服とかアクセサリーがふれたりなんだりでマイクノイズが多くなったし、演者が噛むことも増えたしね。良いことないと思うな。
それにしても、コロナ禍になってから、演劇などのライブ系エンタメの現場に足を運ぶたびに思うのだが、運営側(劇場・スタッフ・キャストなど)も、観客側も全然、感染症対策をしていないよね。
こうした人たちに、五輪開催を批判する資格はないと思うな。
要は、演劇やライブは自分の仕事や自分の好きなものだから、国や自治体に公演の中止などを要請されると怒り狂うけれど、五輪やスポーツは自分の仕事や自分の好きなものではないから、中止しろって言っているだけにしか見えないんだよね。
本気で感染拡大防止を考えているなら、両方とも中止すべきだと思うしね。
本作の鑑賞時にもそうした矛盾を感じてしまった。
観客は、鼻出しマスクや布マスクだらけだし、場内でマスクを外して飲み物を飲んでいるのもいる(演劇ってコロナ前の歌舞伎公演などを除けば、客席での飲食は禁止だろ!)。
また、感染症対策という理由で休憩を設けない上演に変更したというが、空気の入れ替えを考えたら、休憩を入れた方がいいのでは?
休憩時間中にトイレやロビーで会話する人が増えるというのを理由にしているが、何か違う気がするな。
それって、1日2回公演で回すと休憩時間のせいで、昼の部と夜の部の間のスパンが短くなることが判明したから、少しでも公演間の時間をあけるために休憩なしにしただけでは?
あと、緊急事態が発令される前にチケットを売り出していたから免除されているのかもしれないが、全席販売していて感染症対策に気を使っていますアピールをされてもねって気もする。
小劇場だから問題ないという解釈かもしれないが、去年、小劇場の公演でクラスターが出たことを忘れていないか?
それでよく、演劇の公演は安全だとか言えたものだ。
それから、相変わらず効果がないとされているフェイスシールドを最前列の観客に装着させている公演が多いが、意味のないことをやって対策しているアピールするのはいい加減やめてほしいと思う。
そして、一番呆れたのが、演者が舞台上で何度もタバコを吸い、煙を出していることだ。
米国では映画やドラマで喫煙シーンを描くこと自体がNGみたいな風潮があり、それは行き過ぎだとは思うが、少なくとも、一般観客が見ている舞台上で実際に火をつけて煙を出すのはダメでしょ!吸ったふりだけで十分でしょ!
それのどこが、感染症対策していることになるんだよ!
喫煙(副流煙による受動喫煙含む)がコロナの症状の悪化に影響するとも言われているのに、観客をリスクに巻き込むなんてありえない!
こんな意識の低い日本の演劇界の連中に支援なんて必要ない!
こんなことも分からない連中は、半永久的に休業していろ!
ところで、シブゲキで演劇を見たのは今回が初めてだが、ここって昔はシネセゾン渋谷っていうミニシアターだったよな…。
ミニシアターを改装して、演劇を上演する小劇場にするって無茶だよね…。
シネセゾン時代には、ここで、「オール・アバウト・マイ・マザー」とか見たな。
それから、仕事でブルース・リーのオールナイト上映イベントの取材に行ったな…。
映画館としても狭かったのに、そこで演劇を上演するんだからな…。