うつ病九段
日本の映画やドラマ、小説などというのは、実在の人物をモデルにした作品でも、人物や団体などの名称が変えられることが多い。それが日本の映画やドラマ、小説などのリアリティのなさにつながっている要因の一つだと思う。
しかし、そういうのに慣れてしまっているせいか、そんな作品でも“社会性あふれる作品だ”などと絶賛されてしまうのが悲しい現実でもある。
「新聞記者」なんて、自民党も安倍晋三も東京新聞も実名で出てこないのに(イソコだけは劇中劇みたいな形で、主人公が見ているネット討論番組に出てきてはいたが)、政権批判に果敢に切り込んだ傑作なんて言っている人たちがいるんだから笑ってしまう。いかに、パヨクと呼ばれる人たちが無知の塊で映画、特に洋画を見ていないかが分かる。また、この「新聞記者」を反日映画だのなんだのと言っているネトウヨの連中に対しても、自民党の名前すら出てこない映画で反日も何もないだろって言いたい。そんなので騒いでいるのは、やはり、映画、特に洋画をロクに見ていないから、この程度の政治意識しかない映画で自民党政権を批判した映画だと騒いでいるとしか思えない。政党も政治家も実名で出てこない映画なんて、作品が持つ政治性について絶賛も批判もできないでしょって思う。
そういう主義の私からすると、この作品は棋士が次々と実名で出てくる。しかも、うつ病というネガティブなイメージを持たれる病気を描いた作品なのに実名で出てくるし、しかも、主人公がプロモーションに関わった映画「3月のライオン」も実名で出てくる。さらに、棋界にとってはマイナスイメージでしかない「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」についてもきちんと触れられている。普通の日本のテレビドラマなら、モデルとなった人物やその属する業界に遠慮して、あるいはそうした人たちから圧力を受けて、まがいもののような人物名や団体名で描かれることが多いのに、よく実現したと感心してしまう。まぁ、これが本来の形なんだけれどね。
本作と同じNHK作品でも、朝ドラなんて、モデルにしたことを売りにしておきながら、作品では人物も団体もまがいものみたいな名称に変えているからね…。要は関係者からクレームが来た時に逃げられるようにしているとしか思えないんだよね。“あくまで実話を参考にしたフィクションです”って言うためにね。実名だったら逃げられないからね。
なので、きちんと、うつ病という病からも、棋界からも逃げずに製作したことは評価に値すると思う。
それにしても、棋士って、前述の映画「3月のライオン」でも描かれていたけれど、精神的に問題がある人が多いというイメージがあるよね。
幼い頃から将棋しかやってこなかったから、将棋しかできない。将棋以外のことを知らない。将棋を奪われたら何をしていいか分からない。そういう人が多いから、スランプや病気などで将棋ができなくなると、精神を病むようになるんだろうなと思う。
というか、棋士に限らず、日本のスポーツや芸能、芸術に関する人って、それしかできない。他のことを知らないって人が多すぎると思う。
だから、コロナ禍で活動が制限されて、精神を病んでしまう芸能人が海外に比べて多いんだろうね。
ちなみに、本作鑑賞の理由は南沙良が主人公の娘役で出ているからというものだった。
そして、改めて思ったが、女子生徒役というか制服を着るキャラを演じることが多いよね。映画にしろ、ドラマにしろ、CMにしろ。
そして、似合うんだよね。コレが。実際の彼女は結構、大人っぽく見えるのに、何故か作中では可愛いと思うほど、制服姿がハマっているんだよね。まぁ、18歳だから当たり前か…。
ところで、来年は本作に引き続き、大河ドラマを含むNHKドラマに相次いで出演するようだが、もしかすると、NHKに気に入られだしたのかな?
NHK作品への出演が相次いだことから、清原果耶の注目が高まっていったが、南沙良もそのようにしてブレイクしていくのだろうか?
個人的には「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で気になって以降、注目していたが、世間的な知名度はまだまだで、せいぜい、ポッキーのCMで宮沢りえの娘役って言うと何となく理解してもらえるレベルだから、NHK作品への相次ぐ出演で知名度が上昇することを願っていますって感じかな。
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