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エターナルズ

やっと見ることができた。
正直なところ、ここ何日か睡眠不足気味なので(ストレスか?)上映時間2時間半を超える映画は見たくなかったが、本作の興行成績を見ていると、来週になるとさらに上映館数・回数が減らされそうな雰囲気だったので、無理して見に行くことにした。

コロナ禍になってから公開されたマーベル映画は本作が3作目だ。
ディズニープラスと同時配信の「ブラック・ウィドウ」、劇場先行公開の「シャン・チー」や本作「エターナルズ」と公開形態にかかわらず、いずれも全米興収は1億ドルを突破している。「シャン・チー」なんて2億ドルを超えている。コロナ前のマーベル作品の数字と比べると物足りないかもしれないが、コロナ禍ということを考えれば特大ヒットと言えるのではないだろうか。

一方、日本ではというと、本作がかろうじて、間もなく興収10億円に到達しそうではあるものの、現時点ではいずれの作品も10億の大台には達していない。

日本で最近のマーベル映画か盛り上がらない理由はいくつかあると思う。

マーベル作品を配給するディズニーがコロナ禍になってディズニープラスでの作品配信にプライオリティを置くようになったことで、日本の映画館とディズニーの間の関係が悪化した。

ディズニーがディズニープラスを推進することによって、これまでマーベル作品を含むディズニー映画を映画館で見ていた日本のライト層の多くがディズニー映画は配信で見るものという意識に変わった。

2019年の「アベンジャーズ/エンドゲーム」およびその延長戦的内容である「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」で一連のマーベル・シネマティック・ユニバースは一旦完結したことから、そこて燃え尽きてしまったので、その後の展開に興味を持てない。

そして、何よりも大きな要素は日本人受けする要素がないに尽きるのではないだろうか。

「ブラック・ウィドウ」は演じた役者(スカーレット ・ヨハンソン)は大物でも、キャラ自体はこれまでのマーベル映画での出番は多くはなかった。
「シャン・チー」は主人公がアジア系のオッさんにしか見えない(どうやら20代の設定らしいが)。
そして、本作「エターナルズ」はアンジェリーナ・ジョリーなどのスターが出演しているものの個々のキャラクターの知名度がない。

要は地味ってことかな。

また、本作に関して言えば、監督が中国出身ということでネトウヨ思想の連中が拒否反応を示しているというのもあるような気もする。
しかも、この監督は女性だから、ポリコレ要素の強い作品やフェミ視点の作品を毛嫌いするネトウヨには尚更、批判されているのだと思う。

そして、本作では米国でも酷評されたといった情報もあったが、これも、おそらくは広島への原爆投下は誤りだったと登場人物が明言するポリコレ的描写を日本で言うところのネトウヨのような勢力が嫌ったためではないかと思う。

まぁ、本作のメガホンをとったクロエ・ジャオ監督の前作「ノマドランド」はアカデミー賞受賞作品だし、格差社会や女性を巡る諸問題を描いた映画だからポリコレ臭のする作品というだけで毛嫌いする勢力は見る気も起きず、見もしないで批判しているのだとは思うが。

もっとも、エターナルズのメンバーの属性を見てみると(複数の属性を持つ者もいる)、女性、アジア系(中国系のみならず韓国系やインド系もいる)、黒人、障害者、同性愛者、子どもとポリコレ要素満載だし、さらにはポリコレ的活動に熱心で“乳がんサバイバー”でもあるアンジェリーナ・ジョリーも出ている(日本軍の残虐性を描いた監督作品「不屈の男」のせいでネトウヨには反日扱いされている)。そりゃ、ポリコレ要素があるというだけでアレルギー反応を起こすような連中には耐えられないだろうね。

でも、見ていると、そんなにポリコレ臭は悪臭レベルにはなっていない。

というか、意外と面白い。まぁ、上映時間が2時間36分もあるので、多少、冗長に感じるところはあるけれどね。

そもそも、ネトウヨは中国出身とか女性監督作品というだけで毛嫌いしているけれど、クロエ・ジャオ監督は漫画好きなんだから、オタクが納得いく作品を作るに決まっているんだよ!

それを知らずに中国とか女性、ポリコレというキーワードだけで否定しているネトウヨって、本当、無知の塊だよね。

そういえば、本作にも「ノマドランド」同様、岩場のシーンがあったが、監督はそういうロケーションが好きなのか?

個人的には今回のメンツの中では主人公である中国系女性を演じたジェンマ・チャンが結構好みな感じだった。まぁ、アラフォーって感じはするけれどね。イギリス英語でcan'tを“カーント”と発音するところとか良かったよね。それから、マ・ドンソクが簡単にやられてしまうのはどうかと思ったかな。多分、アジアの観客はみんなそう思っているのでは?

ところで、アメコミ映画といえば、エンド・クレジット中やエンド・クレジット後に、オマケ映像というか、今後の続編や関連作品につながるシーンが流れることが多く、日本公開版ではわざわざ、本編上映前に“エンド・クレジットの後までゆっくりご覧ください”みたいなメッセージを出してくれるのに、エンド・クレジットが流れだした途端に退席する連中ってなんなんだろうか?

アメコミ映画のファンはエンド・クレジットまで見るのがお約束なんだから、エンド・クレジットを見ないってことはアメコミ映画に興味ないってことでしょ?誰かに連れられてきた人ならともかく一人で来て、とっとと帰る人ってなんなんだろうかね?とりあえず、時間潰しで何でもいいから見に来たって人か?


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