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新型コロナウイルス闘病記③「療養HOTEL生活」

8月16日(火)の朝を迎えた。いよいよ療養ホテルへ移る。
体温は38.5℃。喉の激痛も変わらずだ。
まず、ドアノブやスイッチ、冷蔵庫の取っ手など、家中の私が触った箇所をアルコールで拭き上げていく。特にトイレは念入りに。さらに自室の窓を開けて換気を行い、妻が帰宅できるように準備する。

そして、朦朧としながら持ち物の確認だ。大阪府のHPに各ホテルの「しおり」が掲載されていて、そこに持ち物が書かれている。
保険証、薬、体温計、着替はもちろん、タオルや歯ブラシなどの日用品、コーヒーなどの嗜好品(お酒はダメよ)、そして洗濯洗剤。当たり前だが最大10日間の滞在となるため、自分で洗濯をしなければならない。
ホテルのWi-Fiはそれほど強くなく入所者も多いため、有線LAN接続ができるノートパソコンがあると便利だ。さらに、しっかりしたスリッパ。
お菓子は出ないので、チョコレートなどの甘いものもあると良い。

午前11時20分、迎えの車に乗り込む。運転席と後部座席の間にはしっかりとした壁が設けられ、ビッチリ目張りがされている。

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20分後、大阪市内某所のホテルへ到着。
2階の受付には、スタッフや看護師さんがいるオフィスがあり、ガラス越しにマイクを使って説明を受けた。
「もし宿泊者が、宿泊施設から逃げ出した場合は…」という物々しい表現で書かれた同意書にサインする。逃げへんがな。
一度入所すると、療養期間が終わるまでは一歩も外出できないし、元気になったからと言って途中で退所することは許されない。
酸素濃度を計測するパルスオキシメーターを受け取って、24日までを過ごすこととなる部屋へ入った。

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ビジネスホテルの一般的なシングルルーム。倒れ込むようにベッドに横になった。

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食事は、朝8時、正午、夕方6時の3回。
これは、ある日の晩御飯である。入所時にAコース(野菜と魚中心)かBコース(肉と揚げ物中心)を選ぶことになっていて、これは退所まで変更できないので慎重に。
私は味覚にも少し症状が出て、生臭さや酸っぱさ、しょっぱさが際立って感じられるようになってしまった。喉の痛みもあって最初はあまり食べられなかったが、療養期間が終わりに近づくにつれて美味しくなってきた。
ただ、どうしても口に合わない場合は、出前を取ったり差し入れを頼んだりできる。

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続いて健康管理について。
自室のテレビには、毎日メッセージが表示される。
リモコンの「OK」ボタンを押さないでいると、看護師さんから内線電話がかかってくる。

そのほかにも、看護師さんから1日に数回、内線電話がある。
例えばおなかを壊しているなら、おかゆやスポーツドリンクを貰えるし、
診察予約をすることも可能だ。
私も一度、2階に設けられたオンライン診察室で、お医者さんのお世話になった。

さらに、毎朝、HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)に体温と酸素飽和度を入力し、それらのデータをもとに健康管理が行われる。

ある朝、備考欄に「この喉の痛みがいつまで続くのか不安です。」と記入したところ、すぐに看護師さんが電話をくれた。

「なになに~?弱気になっちゃってんの~?」

友達か。


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