トライアスロン参加者の年齢構成の変化(佐渡トライアスロンの場合)
はじめに
先日トライアスロン歴が長い方と話をしていた時に、最近はトライアスロン参加者の年齢層が上がってきているんだよね。という話になった。私はまだトライアスロンを始めてから4年目なので年齢層の変化というのは全く気にしていなかったのだが、本当にそうなってきているのか佐渡国際トライアスロン大会の記録から調べてみた。
使用データ
佐渡国際トライアスロン大会の記録はネットで検索したら2008年から2023年までのリザルトが残っていた。これを使って年齢層の変化を見てみた。ただし、佐渡国際トライアスロン大会の参加は先着選考で抽選ではないので、主催者が年齢層の調整をしている可能性はある。2020年と2021年はコロナで大会が開催されなかったのでデータは飛んでいる。
男子完走者の分析
男子完走者のデータの分析結果は下のグラフのとおり。グラフでみると高年齢化の傾向が見られる。2008年は完走者の61%が45歳未満だったが、45歳未満の割合は確実に減少傾向で、2023年には、26%まで低下していた。その一つ上の年代を含めた49歳未満で見ると、2008年は完走者の77%が49歳未満だったのだが、2023年には43%まで減っている。これに対して増えているのが、50歳以上のグループである。。
データを見ると、2008年に一番完走者が多かったエージグループは40-44歳だったのが、年々年齢層が上がり、2015年には45-49歳が最多になり、2022年からは更にその上の50-54歳が一番のボリュームゾーンとなっている。確実に減少傾向にあるのが、35-39歳で2008年の122人が2023年には43人まで減っている。40−44歳も2008年の137人から2014年には167人まで増えたが、それ以降は減少傾向にあって、2023年には72人になっている。現在のボリュームゾーンの50-54歳は2008年には62人のみだったのが、2023年にはおよそ3倍の173人まで増えている。60-64歳は2008年から2019年まで17人から27人までと増減を繰り返していたが、2022年と2023年は45人、42人と1.5倍となっている。
2008年から5年毎の年齢層を10歳区切りにして表にしたのが下表。29歳未満は2008年には8%を占めていたのが、2023年には半分以下の3%まで減少している。一番減少が著しいのが30-39歳の年齢層で、30%から11%までと15年間で3分の1も減っている。これに対して特に増えているのが50歳代で2008年は18%だったのが、2023年には2.6倍の全体の半数に近い48%まで増えている。60歳代も全体の数は少ないが、2008年には5%だったのが、2023年には2008年時の29歳未満よりも多い9%まで増えている。
女子完走者の分析
女子の完走者はばらつきはあるが、38人から101人とかなり少ないので、傾向としては高年齢化が進んでいるけれども、男子ほどにはきれいなグラフにはならない。2008年の完走者の50%は39歳未満だったけれども、39歳未満の数は2023年には減少していて、2023年には18%まで減っている。
エージグループを10歳区切りでまとめてみると、人数構成の変化は明らかで、29歳以下は2008年には11%だったのが、2023年にはなんとゼロに。30-39歳は2008年の39%から2013年には45%まで増えたのだが、その後減少傾向で2023年には18%になっている。あまり変化がないのが40-49歳で40%から52%で変化している。女子の参加者が一番多いのがこの年代。50-59歳は増加傾向が顕著で、2008年には5%しかいなかったのが、2023年には7倍の35%まで増えている。60-69際も2023年には7%となっている。
平均年齢
参加者の平均年齢もグラフにしてみた。2008年の男子参加者の平均年齢は43.4歳、女子は40.4歳だった。多少の変動はあるけれども、平均年齢は上昇傾向にあり、2023年の平均年齢は男子50.8歳、女子49.8歳とこの15年間でほぼ10歳上がっている。
考察
佐渡国際トライアスロンのデータで完走者や参加者の年齢構成を見てみたが、年齢層が高くなってきているのは間違いない。考えられる理由はいくつかあるけれども、日本人全体の人口構成も高年齢化しているので、自然な流れで参加者も高年齢化していると考えられる。若い頃からずっとトライアスロンを続けている人たちもある程度いる中で、私もその一人だが、45歳以降にトライアスロンを始める人もかなり多いと思われる。60歳以上も増えているのは、昔から続けている人に加えて、新たに始める人もかなりいると思われる。
一方で39歳未満の完走者は減少してきている。若い年齢層は15年前と比較してかなり減っているのは、昔から続けている人達はそのまま残ってはいるが、やめてしまう人も一定数いるのだろう。残っている人は上のエージグループに移っている一方で、新たに始める若い人が少ないのではないかと思われる。ロングのトライアスロンは練習時間が必要なので、仕事や家族で忙しい若い人たちがなかなか始めづらいというのはわかる気がする。私もそうだった。またロングのトライアスロンは遠征費用等もかかるので、日本の景気があまり良くないというのも若い人たちが始めるのが難しい原因ではあると思う。
次回は距離の短いオリンピックディスタンスの大会のデータでも分析してみたいと思う。
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