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汗と塩分:データが導くトライアスロン補給戦略 Sweat Test by Precision Fuel & Hydration

日本の夏、朝早くから蝉の鳴き声が街中に響き渡り、まるで地面から立ち上る熱気と共にその声が空へと昇っていくようだ。空気は蒸し暑く、じっとりと肌にまとわりつく。陽が昇る前から、すでに街全体が太陽の熱に包まれているかのような感覚に、ただ立っているだけで汗がにじむ。

夏のレースと汗の問題

そんな日々の中、トライアスリートにとって、この過酷な暑さもまた一つの挑戦だ。スイムでは冷たい水に飛び込んだ瞬間の解放感も束の間、水中を力強く進むうちにまた汗が流れ出す。バイクでは風を切って進むが、それでも身体の中の熱は逃げ場を失い、じわじわと汗が滲む。そして、ランではアスファルトの上で照り返す太陽に晒され、走るたびに汗が滴り落ち、そのたびに体内の水分が少しずつ奪われていく。

ロングのレースに挑む我らにとって、水分補給は命綱だ。体内を駆け巡る水分が不足すれば、脱水症状に陥り、走るどころか歩くことさえ難しくなる。しかし、水だけでは不十分だ。ナトリウム不足が足を攣らせ、やがては命を脅かす。そのため、必要な塩分をどう補給するかがレースを完走する鍵となる。

汗と塩分の関係を探る

一度、自分の汗がどれだけの塩分を含んでいるのかを知ることができれば、レースの補給計画も立てやすい。汗に含まれるナトリウム量、それに1時間に出ていく汗の量、そして運動時間を掛け合わせれば、必要な塩分量が計算できるのだ。

そう思った私は、神田にあるPrecision Fuel & Hydrationで行われているSweat Testに参加することにした。運良く、費用はサービス期間中ということで15000円で受けられることになった。当日は、4人のエージグループトライアスリートが集まり、順番にテストを受けることになった。

テストは、腕に電極をつけてSweat Inducerという機械で軽い電気を流し、汗を促すところから始まる。汗が出てくると、それを細い管で集めてSweat Analyzerに接続し、塩分量を測定する。

発汗促進器で発汗中

全体のプロセスは約30分で、個人差はあるものの、比較的早く終わる。最終的に、年齢や身長、体重と合わせて数値を入力すると、1リットルあたりの塩分量が算出される。

汗吸い取り中

Sweat Testで明らかになる個々のニーズ

結果は655mg/L。平均より少し少ない方(Law salt sweater)らしいが、この値は一生ほとんど変わらないそうだ。一緒に受けた仲間たちの中でも、数値にはばらつきがあり、一般的には200mg/Lから2400mg/Lと驚くべき差があるそうだ。

発汗試験結果

その夜、手にしたデータと向き合った。これまで感じていた漠然とした不安が、具体的な数値と計算式によって明確な戦略に変わる。

データに基づく補給戦略の立て方

先程の計算に基づくと、私は1時間あたり1000mgから1100mgの塩分を失っていることがわかった。1時間あたりの発汗量は、運動の前後に体重を測り、その体重差に補給した水分量を加えることで計算できる。このテストは1時間ほどが適しており、それ以上になると汗以外の要因、例えばグリコーゲンなどが体重に影響してしまうと言われている。私がインドアローラーで測った結果は、1.5から1.7リットルだった。

この不足分を補うためには、飲み物の選択も重要だ。大塚製薬のポカリスエットでは500mlあたり200-400mgのナトリウムしか含まれていないので、1時間に1リットル飲んでも塩分は足りない。対して、OS-1は500mlあたり575mgのナトリウムを含んでいるため、1リットルで1000mgの塩分を摂取できる。このデータを基にして、最適な補給方法を見つけられるという安心感が、次のレースへの自信に繋がる。

ウェブツールで戦略をさらに強化

さらに、Precision Fuel & Hydrationが提供する補給戦略を立てるためのウェブツールを利用すれば、レース中の補給計画をより精密に立てることができる。このツールを使いこなすことで、自分に最適な補給方法を見つけ、次の挑戦に向けた準備を万全に整えられるだろう。

あなたもSweat Testに挑戦!

もしこの記事を読んでSweat Testを受けてみたいと感じた方は、担当の愛川さんまで!詳細はInstagramからご確認ください。

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