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スコルジャ監督にとっての利点

 シーズン前私を始めとした浦和レッズファンが9月の浦和レッズがこのようなことになっていると誰が想像できただろうか。
キャプテンの酒井宏樹、副キャプテンのアレクサンダー・ショルツがチームを離れ、昨年の堅守はほころびを見せ、順位も中位を低空飛行。この成績とチームの成長具合を鑑みてペア・マティアス・ヘグモ監督を解任し、昨季浦和レッズを率いたマチェイ・スコルジャが新監督に就任する。
これが9月までに浦和レッズに起こった事象である。
 昨季と違うことをやろうとしていたのでいきなり結果が組まれる可能性が低いことを承知の上でこの決断を下した賛否は別の機会に話すとして今回はスコルジャ監督2年目が始まる中で、この9ヶ月間でスコルジャ監督にとってのメリットを描いていこうと思う。

① ウィングの充実度
 昨季の浦和レッズの課題として得点力不足を解消するうえで、松尾佑介や前田直輝といったスピードのあるウィンガーを所持しているのは昨季との違いである。
昨季スコルジャ監督がシーズン前に掲げていたサッカーは高い位置からのプレスに比重をおいたサッカーであり、それを遂行ためには特に攻撃面では速いウィングを用いるのが手っ取り早い。
その点昨季と比較したうえでウィングの駒数が単純に増えたので、昨季序盤に志向したサッカーを体現しやすくなるのでは…

② 負荷をかけやすい環境下である
 今季の浦和のサッカーは良くも悪くも強度の高いサッカーを体現していた。スコルジャ監督はリアリストであり、今いる選手を生かして結果を残すスタイルで昨季の躍進を支えた。その一方で浦和レッズに来る前のレフ・ポスナンでは高い位置からのプレスを駆使してポーランドリーグで結果を残した。そして昨季序盤は後者のスタイルを体現しようとしていたので、その点昨季よりも高い位置からのプレスを体現しやすい環境下ではある。

③ 少なからず昨季出場していた選手が所属している
 浦和レッズというチームはJリーグ屈指の入れ替わりの激しいチームである。今年も例外ではなく、昨季の最終節のスタメンで半数の選手が退団している。とはいえ、スコルジャ監督のことを知っているメンバーが半数残っているというのも事実。チームの開幕戦初勝利をもたらした安居やウィンガーの大久保、関根などは現体制でも健在。スコルジャ監督にとってはもちろん、昨季所属していない選手にとっても橋渡し的な役割を果たせるという点で、メリットが大きいと言えるだろう。

 現在挙げられるメリットはこのような形になるだろう。ただ、シーズン残り10試合で、優勝の可能性も極めて低い。現実的には来季に向けて選手の見極めや地盤固めを行うことになるだろう。
残りの10試合で浦和の誇りとプライドを取り戻す活路を見出していけるか注目だ


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