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mameさんが描いてくれた、どんべえとの絆

大好きなイラストレーターのmameさんに、どんべえと僕のイラストを描いていただきました。こんな嬉しいことがあっていいのだろうか。

mameさんとの出会いは、いまから4年前の10月、コロナ禍の真っ只中でした。ミシンで知られるメーカー、ブラザーによるキャンペーンのプロモーションとして、参加イラストレーターの1人であったmameさんへのインタビューをお願いできないか? とカルチャーメディアCINRAから依頼されたのがきっかけです。

恥ずかしながら、その時までmameさんのことを存じ上げなかったのですが、取材を受けるにあたって彼女の作品を目にし、たちまち魅了されてしまいました。

ちょっと昭和感漂うタッチ。谷根千や浅草、下北沢や千歳烏山あたりを彷彿とさせる街並みや、生活感あふれるアパートの一室などの背景。髪型やメイク、ファッションなどどこか1980~90年代初期を思わせるキャラクターたち。だけどディテールに目を凝らすと、スマホやAmazon(実際は「Mamezon」!)の段ボールなどが描き込まれていて、レトロとモダンが絶妙なバランスでミックスされた、ありそうでない世界が広がっています。

しかも、キャラクターたちがとにかく可愛らしい。ちょっとふてくされていたり、泣きべそをかいていたり、決して笑顔だけではない表情の女の子たち。まるで『ハイティーンブギ』から飛び出したような、リーゼントヘアにスカジャンといったファッションや、オーバーサイズのTシャツ&短パンといったラフな格好の、ちょっと不器用そうで憎めない男の子たち。作品にはときおりセリフも書かれていて、連続する日常の一瞬を切り取ったような作品は、今にも動き出しそうなほど生き生きとしています。

好きになる条件はそれだけでも充分揃っているのに、なんとキャラクターたちのTシャツがマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン『m b v』のロゴだったり、ソニック・ユース『washing machine』だったりして。え、ちょっと待って。めっちゃ好き! 友だちになりたいんですけど!

そんな気持ちで僕がインタビューに臨んだとは、mameさんも思ってなかったんじゃないかな。だけど当日のリモート取材は(少なくとも僕の印象では)とてもリラックスした、それでいて和気藹々とした楽しいものになりました。

インタビューの本筋からは逸れるので、マイブラ談義はそんなにできなかたったのだけど(いつか実現させたい!)、mameさんの創作へのモチベーションやインスピレーションとなる事柄について、色々お話いただけて本当に楽しいひとときだったのを、今も鮮明に覚えています。

それに、漫画家として一度「挫折」を味わい、しばらく絵が描けなくなってなってしまったmameさんの過去のエピソードや、そこから少しずつ今のスタイルを確立していくプロセスなどに、僕自身の人生とも重なる部分を勝手に感じ、「お互いいろいろあったけど、なんとかここまで来られて良かったですね」みたいに言い合えたのも、本当に尊い思い出となりました。

その時のインタビューがこちらです。

以来、mameさんの大ファンとなった僕は、タイミングが合えばポップアップショップやギャラリーなどへ行くように。

当時から売れっ子だったmameさんは、展示のたびに人気は上がっていく一方で、グッズはもちろん直筆の作品もあっという間に売り切れてしまう状況。なので「絶対にアナログ原画を手に入れる」と決意した時は、雪の中ギャラリーの開店待ちの行列に並び、なんとかお迎えすることができたのでした。

それが、この作品です。

在廊しているmameさんにお会いし、直接お話しをさせていただく機会も何度かありました。その際はいつも朗らかな笑顔で迎えてくれて、優しい言葉をたくさんかけていただき、彼女ことをますます好きになったのは言うまでもありません。来ているファンの方たち全員に対し、丁寧な対応をされているmameさんを見て、こういうお人柄が作品にも反映されてるのだなと実感しました。

InstagramやTwitter(現X)でも繋がり、時々やり取りをさせていただいているのですが、特にどんべえに関する僕の投稿にはよく「いいね」をつけてくださったり、ときには優しいコメントをしてくださったりして(mameさんもワンちゃんと暮らしていらっしゃるし、作品の中にも犬がよく登場します)、とても嬉しく心強く思っていました。

どんべえが亡くなったときも、すぐにお悔やみの言葉をくださいました。そんなmameさんに、「どんべえの絵を描いてもらえませんか?」と失礼を承知でお願いしたところ、快く引き受けていただけたのは夢のようです。

旅立ったときに着ていたお気に入りの服に、オムツを履いたかわいいどんべえ。僕に後ろから抱きすくめられ、きょとんとしながらまんざらでもない表情を浮かべていて、まるで生き返ったみたいに思えます。後ろの本棚には、マイブラの『Isn't Anything』のジャケが。mameさんもマイブラの中でいちばん好きなアルバムだそうで、実は僕もケヴィン・シールズのサインが入った『Isn't Anything』のアナログを、こんなふうに本棚に飾っているのです。

愛用のカメラのストラップやYairiのアコギ、クッションのチェック柄も再現してくださって、本当にこの絵の中で、僕とどんべえはずっと一緒に生き続けているような気持ちになります。mameさん、本当にありがとうございます。一生の宝物です。

僕はmameさんの作品は水彩画がとても好きなのですが(デジタルももちろん好き)、「どんちゃんの優しい雰囲気にはデジタルより水彩絵の具が合うんじゃないかと思って」と言っていただき、水彩絵の具で描いてくださったのも嬉しくて。

当初、どんべえの祭壇がある寝室に飾ろうと思っていたのだけど、直射日光が結構当たるところなので、今は玄関に置いています。ますます家に帰るのが楽しみになったし、家にいてもついつい玄関へ観に行ってしまいます。

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