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IPOの「今」、「リアル」に関する学びのメモ

先日参加したココナラスキルパートナーズ(CSP)のイベント「経営者が知っておきたいIPOのリアル」が、ものすっっごい勉強になりました。本当に心から「参加してよかった・・」と思えたし、社会インパクト投資を行うKIBOWファンドにも、ものすごい示唆深いものだったので、記憶が鮮明なうちにその所感メモをみなさんにもシェアしたいなと思います。社会起業家の方々や社会インパクト投資に関わる人の参考になれば幸いです。
※セッションの具体的な内容はオフレコ(この内容メモは1万字超え)なので、自分の所感を記載します


①アーリー期~IPO期における、VCの位置づけの変化

全体として最も大きな学びは、「VC」という存在が、IPOのエコシステムの中でどんな位置づけにあるか、分かったことでした。

普段、KIBOWとしては未上場(特にシード~アーリー)の起業家と接する機会が多く、そこではどうしても、起業家・アクセラ・VC(含 社会インパクト投資家)を中心としたエコシステムでモノゴトを見やすくなります。それに対し、プレIPOの段階ではグッと利害関係者が増えるため、より広い視点からVCという存在を捉え直す必要がある。その際、起業家、機関投資家、証券会社にとって、「VC」という存在がどう映るのか理解しておくことはメチャメチャ重要だと思いました。

KIBOWはアーリー期の起業家に対し、いわゆるハンズオンのリード投資家として出資・経営支援をします。当然、起業家とは長い関係性になります(KIBOWは各案件に7年程度は関わる想定)。そうすると、多くの場合、日々の経営の意思決定や新規ラウンド組成についても、自分たちの影響力が大きくなります(むしろ、そこでバリュー発揮するのがリード投資家の役割になります)。

そんな時、リード投資家はどうしても「自分が利害関係者の調整や合意を主導するものだ」と考えやすくなるものの、IPOの段階ではそうはいかない。IPOフェーズでは、例えリード投資家であろうと、VCはいちステークホルダーとして位置づけられるため、きちんと自分の立ち位置を相対化しておく必要がある。そうでないと、自分のせいでディールを壊してしまったり、ひいては起業家の不利益を生み出してしまう、というリスクがあることを肝に銘じました。

このあたりの肌感は、教科書を読んでも絶対に理解できない部分だったので、今の段階でインプットできて本当に良かったと思いました。。

② IPOフェーズの起業家の気持ち

同時に、IPOフェーズでもリード投資家が起業家のために役に立てることはある、とも理解できました。

今回のセッションでは、ココナラの南さん自身が体験談を踏まえながら、起業家として何に苦心したのかを「生々しく」語ってくださいました。加えて、直近まさにIPOをした(する)企業のCFOが見ていた(いる)風景を語ってくれました。この点を知っているだけで、ハンズオンの投資家としては、起業家の伴走支援に大いに役立てると感じました。

KIBOWに引き寄せると、インパクト投資の文脈では、「インパクトIPO」という、まだ決定的な輪郭の無いものをどうやって具現化するかが大きなテーマとなっています。その意味で、通常のIPOよりも複雑な合意形成が必要となる(自分たちもその一部)のですが、そんな時、起業家が何に困りそうなのかが分かっていれば、真の意味で「意思決定を支援する」ことができるかもしれないと思いました。

KIBOWの投資先企業は、ただでさえ「ソーシャルとビジネス」という2つのテーマを追いかけるという複雑さを抱えています。そこへIPOという営みが乗っかって、さらに経営の複雑さが増した時、それでもハンズオンの投資家として、起業家の役に立つ(全てを解決に導くことはできなくても)ことができる可能性を感じることができました

③  今後のIPOシーンの見通し

さらに、今後IPOを取り巻く環境のトレンドについてもインプットできました。それは、単なる耳より情報(「いまトレンドはこうだよ~」)ではなく、起業家(スタートアップ)・証券会社・東証それぞれの、組織体制や関係構造を考えた時、論理的な帰結としてIPOのトレンドはどうなっていくと想定されるのか、考える視点を学ぶことができました。

これはもう、ダイレクトにKIBOWとしても投資の意志決定に影響するな、と戦慄しました。社会インパクト投資という投資形態の特徴を(特に理念型のVCとの比較で)考えた時、リスク・リターン・インパクトの評価の考え方をもう一段レベルを上げて整理する必要があると感じました。より端的に言うと、「3つのバランスを考えて投資の意志決定をします」では甘いんだな、と個人的には学びました。

特に、社会インパクト投資の領域では、業界の発展段階として「投資の実行」の段階を経て、「投資の終え方」が大事になってくる段階だと感じています。それを視野に入れた時、やっぱり、どんな「終え方」をシナリオとして持つのか、より解像度を上げて理解しておくことは決定的に重要だと感じました。

★ 最後に

ここまで色々書いたのですが、最後に、セッション全体を通じて、最も印象的だったことを記しておきます。それは、主催者代表である南さんの「後進の人々の学びのために、惜しみなく知っていることを提供する」という姿勢でした。

個人的に、南さん自分にとって
・神谷町のプロフェッショナルファーム
・NPO経営
・中日ドラゴンスの応援
において先人だと一方的に思っているのですが、ベンチャー投資の分野でも、大きな、本当に大きな学びをいただきました。南さん、素晴らしい機会をどうもありがとうございました!!
ココナラアシスト、社内で検討してみようと思います)

まだまだ書きたいことあるのですが、一旦ここまで・・

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