10代の頃どうしてもできなかったことを今やることで、あの頃の自分を助けようとしているところがある
真夜中、とてもつらくながい夢で目が覚める。現実に戻ってこようとSNSをシュッシュしても頭に入らん。そのくせに内容を覚えてなくちゃってメモ帳にポチポチしている。なんのために悪夢を記録するんだ。罪悪感って依存性があるんかな。医者に貰った薬、飲んでも動悸がひどくなるだけだった。使わないエフェクターみたいに薬が溜まっていく。このままじゃ眠らずに朝まではてな匿名ダイアリー読み続けちゃいそう。予感めいた風が吹いている。雨は止んでいた。終電で海を見に行っちゃうような気持ちを忘れたくない。
やったことないけど。
聖地巡礼。ガラガラの草加健康センター。それは人類の彼岸悲願だ。空前絶後のサウナブームにより、おじたちの楽園は若者の天国になった。だが、さすがに台風直撃した日の深夜なら空いているだろうと踏んだのだ。タイムズカーシェアって便利。世界の果てだって行けるもん。車の中でSyrup16gのライジングサンのセトリを聴く。フジロックのトップソング百連発にも感謝したが、「I.N.M.」「タクシードライバー・ブラインドネス」「天才」「落堕」「根ぐされ」…ひねくれた奴らにとっては渇望の曲たちだ。余談だけどシロップの「She was beautiful」の間奏と、うみのての「RAINBOW TOKYO」って曲のギターちょっと似てるよね、そういう事だよ。歌詞に気をとられつつも真夜中の環七はスイスイで、苦手な後方駐車もうまくいった。知らない人のためにSKCこと草加健康センターをざっくり乱暴に説明すると…飯うめー!サウナあちー水風呂つめて〜!古めかしいけど清潔ゥ〜、都心からのアクセスもよくてチョーゴキゲン!な温浴施設ってわけ。しかも安い。姉妹店の東名厚木もいいよ〜。
というわけで入館即全裸。流石だね。まいったよ。たまらんよね。8種類の生薬を使用した効仙薬湯が清掃中で入れなかったのは想定外だったが、まったく興味ないなろう系深夜アニメも台風一過の夜風も、うるせー学生どもの痴話話すら、癒やしだった。自分は「ととのう」という言葉を安易に使わないくらいには面倒くさい類の銭湯好きになってしまったが、サウナと水風呂と休憩のコンビネーションのスリーピースがガッツリ噛み合うと「おれは生きていていいんだ」「人は愛しあうために生きてるっていう噂 本当かも」みたいな祝福に包まれる。勘違いでいい。血管が収縮してるだけでも、身体に悪くても。
雑に抱かれたい夜には山岡家に限る───。言葉の意味はわからんがとにかくすごい自信だ!おれたちは聖地を後に二十四時間営業してる公共の福祉、山岡家に車を走らせた。東京には希望以外の何もかもあるかもしれない。だが山岡家は、ない。厳密には瑞穂と青梅にはある…。というわけで特製味噌・背脂変更をチョイス。
うめーよー!サウナにより水分と塩分を消耗した肉体に染み入るゥ!ハート様のごとく顔面あべしひでぶさせて完食。そして夜明けを横目に帰宅し爆睡した。
SNSでうまく言えないことを言うためにブログを書くはずだったがただのサウナ行ってラーメン食うだけの中年日記になってしまった。まあいっか。何が言いたかったかっていうと…まあ次回。要するにサ…ほんのちょっとだけ、救われたんだ。風呂とラーメン、バカにできないよ。
巡礼という言葉を選んだとき、聖地をめぐる争いは終わるのだろうかと遠い戦地を思った。それぞれの生活をしながら反戦していくしかないんだよな。