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「生きる力」の視点 過去を抱きしめ、未来を紡ぐ

私の人生は、決して特別とは言えないかもしれません。日々の暮らしの中で、笑ったり泣いたり、誰かのために動き、時には自分の心が折れそうになることもありました。でも、こうして振り返ってみると、その一つひとつの出来事が、私の物語を彩る大切なピースだったのだと気づかされます。ありふれた日常の中にこそ、かけがえのないドラマが隠されていたのだと。

自分史をつづる作業は、まるでアルバムを開くような時間です。懐かしい写真の中で、手探りで必死にもがいていた自分、喜びと悲しみに揺れながら成長してきた自分がいます。昔の自分が抱えていた思いや気づきは、今の私が意外なほど豊かな学びを得る手がかりになってくれます。過去は消えてしまうものではなく、こうして思い出すたびに、いま私を支える力となっていく――その実感が胸をあたためます。

そんな風に自分史を振り返るとき、古来の智慧は私に深い気づきを与えてくれました。すべての出来事は、目に見えない糸で繋がり合っているのだと。一つの出来事も、それを取り巻くさまざまな縁によって生まれ、そしてまた新たな縁を紡いでいく。だからこそ、今の私の在り方や選択が、過去の出来事さえも新たな意味で照らし出す力を持っているのです。過去が未来を決めるだけでなく、未来へ歩む私が、過去を別の形でとらえ直すことができる――この視点は、私を希望へと導いてくれます。

「自分史という鏡」に映る昔の私たち。あの頃の喜びも、悔しさも、泣きたいくらいの苦しさも、決して消えてしまうものではありません。それらは今の私のなかに息づいていて、これからの人生を照らす小さな灯火でもあります。すべては繋がり合い、響き合っている。過去と未来は線で区切れるものではなく、絶え間なく循環し合っています。私たちの歩みの中で、昨日までの「失敗」や「悲しみ」さえもが、かけがえのない経験として輝きを放つことがあるのだと気づかされます。

「この先、どう生きたいのか」。この問いへの答えを見出すために、私は過去と向き合う時間を大切にしてきました。そこで気づかされたのは、一つひとつの出来事に込められた意味は、今を生きる私の歩み方によって、さらに深く、新しいものへと変わっていくということです。過去を振り返るたびに、そこには新たな一歩への導きが見えています。すべての出来事のつながりの中で、私は過去から力をもらい、未来へ向かって歩み続けていきたい――そう強く思います。

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