「名経営者」はどこで間違ったのか

コメント 2020-04-05 092314

ゴーン氏の手腕は経営者として素晴らしい。世界的グローバル企業である日産の経営を立て直した手腕はお見事です。一方で、日産で独裁者となった彼は私物化していってしまった。また、立て直し後の経営は戦略の失敗もあった。

ゴーン氏が来る前の日産の状況

 特に、日系自動車企業と比較すると海外戦略に大きな違いがみられる。プラザ合意で急激な円高が進む中、トヨタは、北米市場に集中して常にチャンスをうかがっていた。そして、トヨタはこの頃、高級車ブランド「レクサス」を作り、特に高い品質を求められる部分のみ日本生産でできるだけ現地生産にしていった。一方の、日産は世界各地に投資をして結果を出すことができていなかった。また、当時の日産はマネジメントできる人材不在が顕著化していた。

日産を実質、買収したルノー

 経営が危機状況に陥っていたとは言え、世界的に見れば超一流の技術を持っていた日産である。ルノーは敏腕経営者がいたおかげで宝の山といえる日産を格安で手に入れることができた。なお、ルノーは世界的にみれば、ローカルな自動車会社の1つといえる。

ゴーン氏の戦略

 コストカッターで有名なゴーン氏はまず、最初に巨額の赤字を決算に計上しその次の決算で大きく収益を出す ということでV字回復をみせるようにした。そして、日産の社員たちがゴーン氏についていけたのはWHY型思考でマネジメントしていることだったからです。「何をする」でなく「なぜする」という思考です。

経営戦略の傾き

 コストをより抑えるため、また当時1ドル80円を割り込むような円高だったことを受けて、「マーチ」の国産からタイ生産へ移管。これは、品質を大きく落としてしまう。そして、ライバルコンパクトカーに生産台数を大きく水をあけられてしまう。これは、元々「マーチ」が低コストで作られていたこと(コストカットの余地が少なかった)、円高が一時的であったことから低品質化による販売台数低下のほうが痛い結果となった。

 さらに、国内工場ではマーチが空いた分を電気自動車リーフの研究を進められていた。しかし、販売されたリーフは1回充電当たりの走行持続距離の短さ、充電時間の問題などこれも普及は進まず巨額の研究費をかけたが当時他社で販売されていたハイブリッド車に押された形となってしまった。先見を見すぎた投資といえる。日産もハイブリッドを全くやっていなかったというわけではないが、その台数はセレナなどごくわずかにすぎなかった。また、ゴーン氏の日本市場の冷遇も見られた。

独裁後のゴーン氏

 コストカットだけでなく、自分に背く者は、容赦なく更迭などもおこなっていたようです。そして、報道で言われている通り、会社を私物化してしまっていた。

 最後に、戦略や目標を立てるときには、WHAT型ではなくWHY型思考の重要性を学ぶことができた。


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