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【TARL 思考と技術と対話の学校】2020 ディスカッション #04

【TARL 思考と技術と対話の学校】
2020 DISCUSSION #04
【記憶・記録を紡ぐことから、いまはどう映る?
見えないものを想像するために】

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ディスカッション、二回お休みして
最終回になんとか出かけることができた。

瀬尾夏美さんのお話を以前から伺ってみたくて
この回だけはどうしてもと思っていた。

モデレーターは、アーツカウンシル東京の
上地里佳さん。

上地さんは、一見すると不思議な二組のゲストを組み合わせる。
今回は、
都市史研究で早稲田大学社会科学総合学術院教授の佐藤洋一さんと
アーティストの瀬尾夏美さんがゲスト。

図らずも、
両者の共通項とそうでない部分との話から、
即興的に話が展開していく場が今回も現れた。

上地さんの問題意識をサイトから抜粋。
「いま、私たちが目にする風景は、どのような出来事の変遷を経て、形成されてきたのでしょうか。それをなぞろうと、私ではない他者の記憶や記録というフィルター越しに風景を眺めなおしたとき、『いま』の捉えかたはどのように変容するのでしょうか。
いま見ている風景や知っている出来事について、
視点をずらしたり、他者の記憶やまなざしに出会うことで、
私たちが生きる時代について考えることにつながりうるのか。
史実からはこぼれ落ちてしまう暮らしやものごとを、
どのように継承しうることができるのか。
お二人が重ねてきた実践、問題意識から、そのヒントを探ります」

佐藤洋一さんは、
米軍やアメリカ人個人によって撮影された敗戦直後の東京の写真を収集し、
アメリカが見た“Tokyo”と日本人にとっての“東京”の差異に着目する研究者。

瀬尾夏美さんは、
宮城県仙台を拠点に、東日本大震災後の東北沿岸を歩いたり、
戦前戦後の記憶をもつ人やまちを訪ねたりしながら、
そこで出会った風景やことばを記述することで
土地の記憶を継承していく実践に取り組むアーティスト。

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お二人の話から、受け取ったキーワードは「物語」だ。
写真であろうと、記憶やことばであろうと、
必要があろうが、なかろうが、
それらを誰かに受け渡していくとき、
必ずやそこにあるものは間引かれる。
意図的であろうとなかろうと、編集される。

それは事実なのか。もはやわからない。
わかりようがない。

そのとき、人は解像度をあげようと、想像と創造の物語を紡ぎ出す。
ドット数を増やそうとしてくのだ。
その行為こそが、今との接点だし、重要な気がした。

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瀬尾さんの描く風景に鮮やかな藍のような青がある。
それはふつう、風景の中には見つけられない色だ。
そこに彼女の見つけた物語があるのではないかと思った。

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