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分け入っても分け入ってもたどり着けない。

山本亜由夢さん個展「我々の休暇」

アーツ千代田3331から上北沢の一軒家に移転した
Open Letter
オーナーの自宅兼ギャラリーとなった。
ギャラリー部分は、DIYで仕上げられ、
漆喰の壁塗りワークショップに私も参加した。
いやぁ、楽しかった。

上北沢に来ても、土曜日・日曜日のみ開廊のスタイルは変わらない。
これがなかなかにハードルが高い。

そしてパンデミック。
そんなさなか、オーナー家は三人家族となった。
壁塗り以来お邪魔できずにいるうちに
いろいろなものが動いていた。

これはいかん!と最終日に予約を入れた。

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山本亜由夢さんは武蔵野美術大学大学院を修了したばかりの新進気鋭のペインターだそうだ。オープンレターがチョイスする作家さんは、私にとってたいてい初見の方だ。そこがまた楽しい。

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山本さんの画は、いくつもの側面をもっていて、
ある意味、鑑賞者の目線から逃げ水のように距離を保っているように見える。

楽園を想起させる色づかいの中で、人は裸で休日を過ごし、
ときにバスタブに浸かり、ときに目合おうとしているように見える。
動物たちはその空間を闊歩している。
とりわけ、鳥の存在が気になるし、その鳥たちは見る限り
飛んではいない。

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山本亜由夢さんのステートメント
全体に降り注ぐような優しい光の中なのに、不和の真っ最中で、みたいなことがあると思います。私はよく遭遇します。そしてそれが、耐えられない!と思うのですが、やはりそこには嫌なものだけではなく、複雑な美しさの気配が存在していることに気づきます。
最近は描くときは光だけはなるべく現実の法則を順守しています。光が客観を担保してくれるからです。色は好き放題やります。形は中間くらいでやります。その行き来で画面がより複雑になってくれと願いながら描いています。

山本さんの画は複雑な深みをもっていて、
ただ、そこに向かっていこうとすると
ポップな要素がそれを阻もうとしてくるようなところがある。

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そこにある真実は、鳥たちだけが知っているのかもしれない。

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#art

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