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自主制作映画「最後の乗客」‐55分の物語
先日、映画「最後の乗客」を観てきた。以前観た「侍タイムスリッパー」という映画に出演していた冨家ノリマサさんがこの映画にも出演していたからだ。実は、冨家さんは親戚家族と少ないながら接点がある方で、親近感というほどのこともないのだけれど、なんとなく視野に入っている役者さんだ。
この映画、実は、クラウドファンディングからはじまった自主映画。仙台の一館で始まった上映が評判を呼び、海外で絶賛され、日本全国で上映されることになったものだ。
内容は何も知らなかった。ただ、「侍タイムスリッパー」のときのように、くどくて暑苦しい(いや、コクがある?)演技を冨家さんがするんだろうなというくらいの感覚で見に行った。
映画は砂浜に打ち寄せる波の描写から始まる。それでも私は何も気づかなかった。
小さな街の駅のロータリー。タクシーが客待ちをしている。
タクシードライバーの遠藤(冨家ノリマサ)と竹ちゃん(谷田真吾)は、駅から出てくる帰宅客を眺めながら、ある噂話をしていた。物語は、遠藤のタクシーが走り出し動き出す。
出演者の数も少ない短い映画なので、ストーリーを追い始めるとすぐにネタバレになってしまう。
タクシーに乗り込む乗客。そこで交わされるいびつな会話。誰が最後の乗客なのか。
やがてこの映画が東日本大震災に人生を狂わされた人々を描くものであることが提示される。
冒頭のシーンが蘇る。そしてはたと思い当たる。
私たちは誰でも最後の乗客になり得るのだ。
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