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侍の心は如何に!「侍タイムスリッパー」

(トップ画像は、公式サイトの予告編からキャプチャーを拝借した)

時代を行き来するというのは、映像の世界ではよくある話である。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はその筆頭格といえるだろう。日本のテレビでも、要潤が主人公を演じた「タイムスクープハンター」や黒島結菜が戦国時代にタイムスリップしてしまう「アシガール」あたりはすぐに思い出すことができる。

「侍タイムスリッパー」もそのタイトル通り、侍が雷に打たれて京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまう物語だ。雷が起因になるあたりは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い起こさせる。

もう一つ、自主映画が全国展開になったという点で、この映画は「カメラを止めるな」との類似点が挙げられるているが、〝カメ止め〟のようにコメディ要素はそれほど強くない。むしろ人情劇のテイストを強く感じる。

主人公は元いた時代に帰ることは叶わず、幕府が滅びたことを知り、時代劇の切られ役として生きていくことを決心する。このあたりから時代劇の要素がふんだんに盛り込まれ、やがてとある運命と出合い、彼の心の葛藤が必殺の立ち回りへと繋がっていく。

自主映画の限界のようなものがときどき感じられたが、それでもそれらを上回ってなかなか良い映画だった。

冒頭と中打ち上げのシーンで、映像と音声がシンクロしていないように感じたのは、私だけだろうか。そうだとしたらそこが一番残念だった。


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