“掃く”ことで変わり、わかるもの。
「洗浄」をテーマに活動するアーティスト・岩井優さんの
ワークショップ<彗星たち>に参加した。
これはヨコハマトリエンナーレ2020の
episode06として、岩井さんが行っているプロジェクトの一環だ。
このプロジェクトは、岩井さん自身が福島第一原発の除染作業員として定期的に携わった経験を下敷きに構成されている。
除染作業では、“死んでもマスクは外してはいけない”と言われ、
作業を証明するものとしては写真しか認められないことが、
プロジェクトムービーで紹介される。
それを見た上で、参加者は送られてきた紙袋型マスクをカスタマイズする。
このマスクの表面には、グラファイト(黒鉛)が塗られている。
これは鉛筆の芯に使われるほか、世界で最初の原子炉がつくられたときにも使用されたものだという。
このマスクを、さまざまなパッケージ(何かを覆っていたもの、守っていたもの)、不要品でデコレーションする。
マスクは、参加者のプライバシーを守る役割を果たす。
黒鉛炉をモチーフにした?紙袋にパッケージの破片をくっつけていく。
そしてその二重構造の中に、自らのプライバシーを閉じ込める。
そのマスクを被って、私たちは小さな帚星の如く
“掃く”というアクションを行って、写真に収める。
そう、写真を撮らなければその行為はなかったも同然なのである。
きょう、その参加者たちによるディスカッションが行われた。
境界線、ゴミとは何か、マスクの効能、物質の移動、恥ずかしさ...
私たちは、何かを汚しながら生きている。
それを見えないようにコントロールしようとしているのではないか。
そんなことを思った。
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