静謐な世界にざわつく気持ち。
髙木大地さん個展「Light, colour, outlines」
初めて拝見した。
2010年に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了した作家で、
「DOMANI・明日展 2021」に参加されていた髙木さんの
三年ぶりの個展だそう。
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「DOMANI・明日展 2021」を見逃していただけに、どうしても見たかった。
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ギャラリーの芳名帳のそばに、予約申込表があった。
何かと思ってみると、
約10年間の作品をおさめた作品集「Daichi Takagi 2010-2021」の
予約受付表だった。
その見本が、トンボがついたままの状態でプリントアウトされていた。
寄稿文はまだ白紙だ。
それを繰ってみると、今このギャラリーで見た作品たちと
過去のそれらは大きく異なることがわかる。
いやいや、作家の中では必然があって変化してきているのだろうし、
それは変異の連続としての変化であって
異なると言ってしまってはいけないのかもしれない。
今回、拝見した作品の静けさは、
その静けさに包まれる穏やかな心境は、
どこかで味わったことがあるもののようだった。
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そのことを思い出そうとしながら、ギャラリーに佇んだ。
が、しかし、記憶の引き出しから
その懐かしさが詰まった段を引き出せたのは、
駒込の駅に向かって歩いているときだった。
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そうだ。2019年にLOKO GALLERYで拝見した
平松麻さんの作品だ。
髙木さんのほうが、もう少し具象の要素が入り込んでいるかもしれない。
が、しかし二人とも、
“見えているもの”を描いていると言うよりは、
“見ようとしている世界”を描いているような印象を受ける。
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それは心のなかに広がるさまざまな感情の写し鏡だ。
そんな思いで、駅までのもう少しの道のりの間、
髙木さんの作品を反芻していた。
2021年4月25日まで。
水曜日-土曜日 12:00-18:00 / 日曜日 12:00-17:00
月・火・祝祭日休
@ KAYOKOYUKI
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