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【プチ栄養学】理論と現場の乖離に寄り添うために、ひとつひとつ

理論はこうなのに現実はそうではない、ということはよくあること。

人が作る社会、人の心で成り立つ社会なので、そんな機械みたいに物事が進むわけがないよ、社会が動くわけはないよね、ということを多々実感してきました。

学生時代に没頭していた環境政策の研究でも、前職で新規事業を立ち上げた時にも、人の複雑な心の動きをできるだけ可視化し、設計に組み込まないと単なる机上の空論に終わってしまう。人の考えを、価値観を、行動を変えるのは相当大変なことだぞ、と。

そう理論と現場には大きな乖離があることに悶々としながらも、それでもその隔たりの中に、人間の美しさや尊厳、人間臭い面白さなんかも見られてきて、あぁこれが人の心に寄り添うことの醍醐味なのかなぁなんて思ったりもします。


私が栄養のことを仕事にするようになってからも、「子どもにはなるべく手作りのものを」「野菜はしっかり摂って」「添加物に注意して」「品数や食感も考慮して」「21時までに就寝を」と、まわりには正論価値観があふれています。

素直で真面目なママほど苦しむことになるわけですね。


ワーママの日常は、言うことを聞かない子どもに精力的に話しかけながら必死に生活を回しているということ。

なので、あまりにも正論と現実がかけ離れることに。
そんな状況で一般的なノウハウを聞かされても人の心に響くことはありません。

だから私は、理論は大切ではあるけれど、現場の事情をよくわかった上での提案がとても大切であると感じています。

栄養バランスが大切、ではあるけれど、吸収も代謝も個人により、その日により、大きく変わってきます。
楽しい雰囲気で食べられるのが一番ですが、あまりにママが小言を繰り返していると、食欲減退、吸収率低下、みたいなことにもなるわけですね。


なんでもかんでも、目にした正論を信じなくていいですし、むしろ信じすぎると別の問題が起こってきます。
自分に、我が家に合うスタイルで実践できればいいんですよね。

簡単に現場は回らないけれど、向かうべきところに向かって進んでいく、時間はかかるし難しいけれど一つ一つ歩みを進めていくことが、子どもにとっても親にとっても価値あることなんだなと感じています。



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noteでは、ブログでは書ききれない想いを短いエッセイで綴っています。

・プチ栄養学
・おうちごはん
・ライフスタイル

の3つの視点から、子育てのことやちょっと役立つ栄養のお話、ママの働き方、将来に想うことなど自由に書いていきます。

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高野七緒@栄養コンサルタント
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