『Nice Painting! vol.1』覚え書き その4
全曲、作詞・作曲・編曲・演奏・歌・録音 by 高野寛
11.Jenga(2000)
落書きみたいな曲なので、どうやって作ったのか全く覚えていない。曲が危ういバランス感を醸し出している気がして、木片を積むゲームの「ジェンガ」からタイトルを付けた。ピロレイターとか立花ハジメさんの影響がある気もする。曲作りを始めたばかりの時代からこういう短いインストはいつも作り続けていて、自分の中では歌モノの曲と全く等価なのだが、なかなか発表の場がない。『AWAKENING』で歌とインストと半々のアルバムを作ってみたが、『虹の都へ』『ベステンダンク』を期待しているリスナーには不評で以後ソロアルバムでは自粛気味。ナタリーワイズやpupaのアルバムで堂々と発表している。「HAAS」名義の『Music for Breakfast』はインストだけで作ったミニアルバム。
12.粉雪(2001)
たしかリズムから作った曲。メインで鳴ってるリズムマシンの音はYAMAHA DD-7っていうオモチャみたいな楽器の「SAMBA」のプリセットリズム。『Sorrow and Smile』の『三叉路』もこのリズムを聞きながら作曲した。ピアノはE-muのスタインウェイのライブラリから。オルガンはJV-2080か?アコギにprotoolsのフェイザーをかけたのは覚えてるボサノヴァはサンバから派生したリズムだから、この曲はサンバというよりボッサ的。(宮沢君とのバンドはまだ始まったばかりで、ブラジルのグルーヴを深く理解するところまでは至っていない時期)
13.君のほかには(2001)
くるりの2nd、3rdをよく聴いていた頃。オルタナ(日本の)っぽいロックをやろうと思って模索していた。シンセはソフトシンセのvirus。この時期に作った曲の大半は後に『確かな光』に収録されたが、この曲は選にもれたまま今に至る。何年か後に復活するかも、しれない。