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遠くて近いウクライナ

2022年2月24日(木)、ロシアがウクライナへの全面侵攻を始めた。世界のパンデミックがまだ収束していないこの時期に、武力行使を実行してしまう国があるという事実には、心底驚いた。そしてウクライナのことを全く知らない不勉強を恥じて、少し調べた。

複雑な地政学的条件もあって、東西の大国に翻弄され続けてきたその歴史が見えてきた。1976年以来、キエフと京都が姉妹都市の関係にあることも知った。

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実は以前、ポーランドとウクライナの国境まで行ったことがある。2005年に宮沢和史バンドのギタリストとしてヨーロッパを廻った時のこと。ワルシャワに続いてポーランドでの2公演目・プシェムィシルでのライブの翌日に、少しだけ足を伸ばして、国境付近を観光したのだ。2月のプシェムィシルは、厚い雪に覆われていた。

親切に質問に答えてくれた国境警備隊は(平和すぎて)時間を持て余しているようにさえ見えた。

2005年2月5日の日記より
「プシェミシル観光(中略)。続いてウクライナとの国境へ。フェンス以外何もない白銀の世界。国境警備隊の人々が迷彩服で我々に笑顔でガイドしてくれる。この国境には深刻な問題は起きていないのだろう。」

かつてnoteに転載していた上記の日記を読み返しながら、おもわず「この国境には深刻な問題は起きていないのだろう」の文に「『今は』深刻な問題は起きていないのだろう」と加筆した。

この後、僕らはアウシュビッツ記念館を見学して、次の都市・ヴロツワフでポーランドでの3度めのライブを行った。

靴底から染みる寒さの中、アウシュヴィッツ強制収容所を見学したことは一生忘れられない

2005年の宮沢和史ツアー、ヴロツワフ公演までのテキストを無料公開したので、よかったら。

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と、ここまで下書きを終えて、「遠くて近いウクライナ」という仮タイトルをつけて保存したところで、ツイッターでこのポストを見つけた。さっそく読んでみた。

話の途中、こんなト書きがあった。

「ロシアという巨大国家が近くにあるうえ、放射能の被害にあったウクライナと日本。(中略)距離的には遠いが『近い』国である」

『紛争でしたら八田まで』第17話

個人的な思い出からつけたつもりだったさっきの仮タイトルは、どうやら間違ってはいなかった。

遠くて近い日本から、思いを馳せる。

2月の厳しい寒さの中、お世話になったプシェムィシルの人々や国境警備隊は、何を想っているのだろう。ウクライナの人々は無事だろうか。ライフラインが止まって、寒さに震えてはいないだろうか…

戦争反対。нетвойне.

*2/27追記:ポーランドツアーの後、我々はロシアでも2度公演している。セッションしたロシアのバンド、ディアナ&ナイトスナイパーズのギタリスト、イワン・イヴォルガと撮った写真。ロシアの音楽仲間もきっと、胸を痛めているに違いない。

今朝のニュースで紹介された、プシェミシル駅の様子。ウクライナから逃れてきた人々の避難所になっているとのこと。


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