高野慎一
ベンチャーがグロースする時、30人前後と100人前後に壁があると言われています。実際に多くのベンチャーがそのくらいのタイミングで不協和音が起きたり、退職者が続出するなど成長にブレーキがかかり、場合によっては組織崩壊に至ります。 このマガジンでは、「人数の壁」の真の原因を探り、正しい原因分析に基づいた対策をお話しします。
この記事は社員数150人を超えた株式会社ツクルバが、2020年8月1日に大きな組織変更を行い、マネージャー職を拡充し、多くの新任マネージャーが誕生したときに新任マネージャー向けに書いたものです。 ある部長からダイレクトメッセージで、「マネジメントに関する知識やスキルの研修は多々行われると思うが、その前にマネージャーの心構えやスタンスなどもっとも基本になることを話したい、その材料はありませんか?」というオーダーでした。 そのようなものはなかったので、私が部長として課長を育てたと
前回は、人類学の観点から「人数の壁」の原因を探った。 「人数の壁」を乗り越えるために人間(人類)は組織を作った。ところが、組織を作っただけでは問題が解決しない。 今回は、現在私が考える「人数の壁」の核心的原因を書いてみたい。 1. 核心的原因の誤謬前回紹介したダンバー教授の説を組織論に当てはめてみる。 スパン・オブ・コントロールは、ダンバー教授の同心円の中心の人数とほぼ一致する。私は前回の冒頭で「組織の大きさは情報処理能力で決まる」と紹介したが、そこに書いてあるのは「業務
前回は「人数の壁」に当たったときに起きる症状について書いた。 それが起きる原因について、私程度の勉強では組織論だけでは到達できなかった。そんな時、偶然出会った人類学の著書にヒントを得た。 今回は組織と人類学者の著書を重ねてみたい。 ※私は専門家・研究者ではなく、読み齧った知識でこれを書いています。間違いなどありましたらご指摘ください、 1. 組織論:組織の人数の限界は情報処理能力で決まる最近は「スパン・オブ・コントロール」と呼ぶようだが、以前は「マネジメントスパン」と言っ
スタートアップ、ベンチャーの成長過程に「30人の壁」「100人の壁」と言われる壁があり、それぞれその人数に到達する前後に組織に不協和音が生じ、組織のパフォーマンスが落ち、場合によっては大量に退職者が出るという症状が見受けられる。 そこで中間管理職を作って組織化したり、人事制度や評価制度を整備したり、1on1を定期的に実施するなどの手を打つのだが、それらが有効に機能せず組織崩壊に至ることも多く、ベンチャー成長の阻害要因となっている。 それは「人数の壁」の真の原因を理解していない
亡くなった親父が行きつけだった銀座のバーに行った。このバーは、親父の勤め先の先輩(故人)が定年退職後に開いた店。今は奥様とお嬢さんで店を守っている。 その晩、奥様の話を聞いて今更ながら気づいたことがある。 40年、いや70年の時を経て、今ベンチャーで働く若者たちの参考になるかと思うので書くことにする。 70年前 親父の就職今から40年前。 僕が、当時まったく無名のリクルートに就職すると言った時、母親は反対だったが、親父は賛成してくれた。 親父は、反対するお袋を家に残して僕