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3つのデンマーク・ゴミ出し文化

デンマークで暮らし始めて、その文化に関心することがしばしばあるんだけれども、その中でもゴミ出しの文化は素晴らしいと思う。

まず、私の一緒に住んでいる家族の家には、小さなゴミ箱が一つしかない

近くに住む家族が頻繁に来るのもあって、大体4人がここで暮らしているようなもんなんだけど、プラ類・生ごみ・厚紙・缶・一般ゴミなどの分別はあるものの、それらが一つの小さなボックスの中で場所が区切られているのみ。各ゴミ袋がとても小さく、2日もすればすぐに溜まってしまう。

それって毎回捨てにいくの面倒では?と思いきや、そのおかげで溜まったらすぐに出すという習慣が生まれており、家の中にゴミが溜まらない仕組みが出来上がっている。


また、マンション共有のゴミステーションへはゴミをいつでも出せる。そのおかげで曜日を待つストレスがない。収集車も2日に一度ほどの高頻度で回収に来るそう。

これはきっと日本でも、マンションや地域によっては住民がいつでもゴミを出せて、週の決まった曜日に収集車が回収に来るという似たようなシステムがあると思う。

しかしデンマークの利点は、共有ゴミステーションは頑丈な蓋付きビン(プラスチック製の大きなゴミ箱)で、カラスの被害が出にくいこと。また、日本と比べて気候の影響で年中虫が少ないため、数日ゴミがビンに溜まったとしてもさほど悪影響がないんじゃないかと思う。
日本ではプラスチックのビン見たことないし、カラスの被害が多いのになぜずっと袋のゴミ出しなんだろう。。


最後に、私が一番好きなのは、無料の公共リサイクルステーションがあること。
なんとここでは使わなくなった家具や本を誰でも置いていって、取っていいのだ。

私はこのサービスに感動した。
日本で大きな家具を出したい時って、粗大ゴミとして回収の予約を取って、粗大ゴミシールを購入して、、とめちゃくちゃ面倒!!
そのせいで、私の実家は面倒くさがってなかなか大きな家財を捨てられずにいる。ゴミ出しにお金がかかるって、理解できるけど、いいこと生まない。
ゴミになったモノを買ってしまった後悔と、コストと、捨てたい気持ちと実行に移すまでのストレス、また「本当に捨てるべき?」という繰り返しの自問自答さえ生んでしまう。

ここにはイス、テーブル、外用ベンチ、ベッドマット、トイレの便器など、カテゴリ別にテントが設けられており、来た人が自由に置いて、取っていい。署名とかサイズ計測とか何にもなし。そうして人と人との間で、面倒な手続きなくリユースが行われている。

日本は確認社会なので問題があった時のために記録を残すことが重んじられている。それは責任の所在を明らかにしておくことが安心だからだ。

一方で、デンマークのこの確認の少なさは個人の責任感を育み、スピード感を生んでいると思う。たとえステーションに置いたタンスに大切な書類が入ったままだとしても、ステーションを責めることはない。置いたのは自分だから、自分の責任なのだ。

このステーションは基本的に毎日開いていて、3〜4人の少数のスタッフがモノの整理や見回りをしているので、このサービスが利用者との信頼のもとで成り立っていることを感じられるのも安心。

願わくば私の実家の街にもこんなステーションを設置して、大量の棚を1日で運び込んで、一刻も早く実家のリビングにスペースを空けたい。

先日は、私の部屋にいいイスがあればいいなと思い、リサイクルステーションへ探しに行った。あいにくどれも少し壊れていたりしていいものは見つからなかったけど、宝探しみたいで楽しかったのでまた機会を見つけて探しにいくつもり。
家族の一人はそこで新品に近いタンスを見つけて、今新居で使っている。めちゃくちゃ良くない!?と嬉しそうだった。

清潔でシンプルな暮らしのヒントは、ゴミ出しにあると思う。いかにその循環を作るか。これは個人でも社会レベルでも見直せることだ。

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