父の相続 後半戦+思い出す怒り

父が1月に亡くなり、とりあえず名義変更をしなければならないところへの連絡が、一通り終わったところです。
ただし、ここからが厄介なところであり、普通であれば士業の方に依頼するところだと思います。

残っているのは、準確定申告、登記名義人の変更(相続による所有権移転登記)、銀行の口座名義人の変更です。
どれも大変な手続きですが、可能な範囲で自力で行うつもりです。

特に相続登記は、祖母の時にすでに自力で行った経験があるため、比較的やりやすいと思っています。

ちなみに、本人がインターネットなどを駆使して調べ、申請書を書いて法務局に提出することは、問題ない行為です。
ただし、ほかの人から依頼を受けて行うと、司法書士法違反となり、刑に処されることになります。

私の場合は前職(地方法務局職員)の影響で、比較的楽に必要書類がわかりますが、一般の人が必要書類を調べ、過不足がないことを確認して行うのは、難しいだろうな、と思います。
もっとも、書類審査をしていた時に何度か本人申請のものを目にしたことがあるため、実際自力でやる人もいることは認識しています。

ただ、自力で行うときに最も怖いのが、補正手続きです。
補正のためには法務局の窓口に行き、訂正箇所を修正したうえで「何字削除、何字加入」または「何字訂正」と記載し、印鑑を押さなければならないため、想像以上に時間も手間もかかります。
申請自体は郵送でも可能ですが、補正は確実に法務局に行くことが求められるため、時間に余裕のある人ならばともかく、仕事を有している人が補正のために休む(時間単位で取れるのならまだしも、職場によっては有給休暇を丸々一日分使って)ことは、相当な負担になると思います。
だからこそ、司法書士に頼んだほうが時間面での負担は軽く済むだろうな、と考えています。

ただ、これは前職でも経験しているのですが……補正は、素人だけが行うものではありません。
むしろ資格のある「司法書士」のほうが、補正率が高かったりすることもあったのが、厄介なところでした。
ひどい司法書士だと、提出書類の半数以上に補正があるという、いったい何をチェックしているのだろう? というレベルの人も存在しています。
一方、職員に課されるノルマは「事件を処理した件数」だけで算定され、補正に対しては全く配慮がありませんでした。
そのため、特に提出書類の半分以上が補正される事務所は「不適格事務所」として公表したほうがいいのでは? と思うくらいに、補正の多い司法書士に対して憎しみを抱いていました。

ちなみに一日に課されていた件数は、確か70件くらいだったはずです。
相続など、印影を確認する非常に時間のかかる複雑な処理を含めたうえで、1件当たり10分以内で処理しないと間に合わない。
しかも補正は一切考慮の外。
できる人間なんて、存在しないとしか言いようがありません。
今思えば、これは民間企業での「過大、達成不能なノルマ」に該当し、パワハラに該当していたのではないかと考えます。

入力に課されたノルマは、もっとひどいものでした。
一日に100件以上、しかも「間違っていい割合」は、0.04%です。
逆に言えば、99.96%以上は「正しい入力」を求められ、それが達成できないと、昇給の対象外にされるのです。

これが、国家公務員の現実です。
加えてその悲惨なノルマの中、件数は減っているとしてどんどん減員されていたのですから……少なくとも私は、国家公務員という仕事だけは勧めないと断言します。

途中からは、前職に対する怒りが中心になってしまいました。
とはいえ、これは定期的に吐き出さずにはいられない、自分を「壊した」原因であるため、色々なところで述べることにします。
黒色無双という、現在売られている中で最も黒の度合いが高い商品よりも、パーセンテージでは大きな「正確さ」を求められたというのは、今でも心を蝕んでいますから。

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