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トウモロコシ・枝豆…夏野菜が高騰 猛暑で不作
世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。きょうのテーマは「夏野菜高騰 猛暑で不作」。代表的なものといえばトマトやナス・きゅうり・オクラ・ズッキーニです。
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こうした夏野菜には熱中症、夏バテから体を守るビタミンやミネラル、食物繊維などがたっぷり含まれています。私は一年中、トマトをよく食べています。特に夏はカレーに入れたり、冷やし中華の具材としてたくさん食べています。夏野菜でこの猛暑を乗り切ろうという人も多いのではないでしょうか。そんな夏野菜がいま値上がりしています。
値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜〜金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。
今年の夏はいつもと違う
野菜や果物は旬の時期に収穫量が増え、価格が安くなるのが普通です。ところが、今年はいつもと違う夏になっています。東京都練馬区のスーパー、アキダイ関町本店で取材してきました。
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トウモロコシやオクラは例年比で50%近い値上がりでした。アキダイの秋葉弘道代表は「高温の影響で生育が止まっている状況です。夏に強い野菜でさえ夏バテして、出荷量が減っている」と話します。お客さんからは「以前なら箱で買っていたけれども、今は少なめに買っている」という声も聞きました。
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農林水産省がまとめている主要野菜8品目の小売価格を見ても一目瞭然です。平年比で軒並み高くなっておりキュウリは21%高、トマトも11%高です。
値上がりの2つの理由
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まず連日続いている猛暑です。「夏」野菜だといっても、暑すぎると生育に支障が出ます。気温が上昇しすぎると葉がしおれたり、花が落ちたりして野菜の成長が止まってしまいます。
さらに今年は成長が早すぎる傾向にあるようです。こちらは日照時間の平年比を現したものです。
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関東を中心に例年に比べると日照時間が長くなっています。お天気が良すぎて成長が早まると、本来予定していた出荷時期より早く出荷されてしまい、本来、必要な時期に出回る量が足りなくなっています。
もう一つの理由、外食需要の回復は値段にどう影響しているのでしょうか。
コロナ禍が収まって、これまで外食を控えていた人が飲食店に戻っています。飲食業の需要が増えてきて、小売店に回る夏野菜の量が減っているんです。加えて夏祭りや花火大会といったイベントが数年ぶりに再開されています。焼きトウモロコシやビールのつまみに枝豆が売れているんですね。
きょうの方程式です。
夏野菜の価格上昇=猛暑による生育不良+外食需要の復活
トマトやナスも値上がりへ
これから上がると見られるのがトマトやナスです。やはり生育が早まり、出荷が前倒しされた影響で8月下旬から不足気味になり値上がりしそうです。野菜は「産地リレー」という言葉があるように産地が季節ごとに移っていきます。このリレーのバトンが多くの野菜で途切れてしまっている状況で、影響は尾を引きそうです。
ワケあり品に注目、ふるさと納税にも
値段がどんどん上がるのに対し、お得な野菜の買い方もあります。「ワケあり品」を狙う手があります。野菜は形が悪くても味は変わらないですよね。
そういった野菜を安く売っているところがあります。ネット通販を覗くとちょっとした傷や見栄えが悪くて市場に出荷できない野菜が「ワケあり品」として多く販売されています。
ふるさと納税のメニューにもありました。福井県坂井市の村上農園では天候不順の影響で2トンもの不揃いニンジンが余ってしまいました。そこで坂井市がふるさと納税の返礼品として出しています。4000円の寄付で10キロ(70本近く)のニンジンが届くということです。もちろん味は正規品と変わりなしとのこと。値段の動きが小さいカット野菜や冷凍野菜も活用して生活防衛に努めたいものです。
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