eスポーツ、賞金1億円超えのインパクト
コンピューターゲームの腕前を競うeスポーツはいよいよ日本でも高額賞金が話題になるように。日本最大級のイベント「RAGE」の世界大会が16日、千葉市で開かれ、日本人選手が優勝し賞金100万ドル(約1億1千万円)を獲得しました。今年の流行語にも入選したeスポーツ。まさにしり上がりの一年になりました。
なんといっても「1億円」のインパクトは新聞やテレビで大々的に報道されています。海外の大会に比べ見劣りしていた日本のeスポーツ大会にとって画期的な出来事といえるでしょう。
追い風が吹いていますが、来年以降の課題もあります。日本で根強いゲームに対する無理解や偏見もひとつです。11月、COMEMOと日経産業新聞が共同で実施したアンケートでは「eスポーツは日本に定着するか?」との問いかけに対して「定着するがリアルスポーツとは一線を画す」との回答が多数を占めました。注:青い部分は「スポーツの一ジャンルとして定着する」
「ゲームはスポーツじゃない」という人もいます。こうした価値観も徐々に変わっていくのでしょう。F1に代表される自動車レースは「モータースポーツ」と呼ばれます。車体やエンジンの差は肉体的な努力でも埋められません。魚釣りも「フィッシングスポーツ」と呼ばれます。「ゲームばかりやっていると勉強がおろそかになる」といった批判も根強い。でも日本のトッププレーヤーである「ときど選手」は東大卒です。
平成の初め、1990年代にサーフィンやスケートボードが五輪種目になるのを予想していた人が何人いたでしょうか。eスポーツも五輪種目への採用も取りざたされています。商業主義との批判はあるものの、やはり「盛り上がっている」コンテンツは五輪の主催者、スポンサーとも無視できません。技術革新がスピードを増している中、紆余曲折はあるでしょうが、五輪の正式種目になるのも意外と早いかもしれません。