帯分数に思いをめぐらす
MathMLで使われる"INVISIBLE PLUS"(見えないプラス)という名前のユニコード文字があり、帯分数を表すために使われます。具体的には、数値文字参照を利用して次のように記載します。
<math>
<mn>1</mn>
<mo>⁤</mo>
<mfrac><mn>1</mn><mn>3</mn></mfrac>
</math>
このMathMLのコードは$${1 \frac{1}{3}}$$のように表示されます。今回はこの帯分数について考えてみたいと思います。
小学校でしか使わない
小学校でしか使わないという意見をよく目にします。帯分数の世の中の立ち位置はちょっと不遇な感じがします。
確かに私の記憶でも、小学校の算数で使っても、中学校以降の数学では使わなかったように思います。数学では$${ax+b}$$の$${ax}$$は$${a \times x}$$で$${a+x}$$ではありません。帯分数で$${1 \frac{1}{3}}$$は$${1+\frac{1}{3}}$$なので確かに例外的な表記かと思います。
ただ、小学校でしか使わないというものではないかと思います。
ハリーポッターには9 3/4番線
ハリーポッターの映画を観た方は記憶にあるかと思いますが、ハリーポッターがホグワーツに旅立つために乗車する列車は9 3/4番線から出発します。有名な映画なので観た方も多いかと思います。
ただ、物語の中に出てくるというだけでやっぱり実用的じゃないという意見もあるかと思います。
料理のレシピは大さじ1 1/3
何気なく眺めていて気付いたのですが、料理のレシピには「しょうゆ 大さじ 1 1/3」といった表現が頻繁に登場します。これだと「しょうゆを大さじ1杯入れた後に大さじ1/3杯入れれば良い」と分かりやすいと思います。これが4/3だとか、1.333だと、ぱっと見てもどれだけ入れれば良いか、すぐに分からず困ってしまうかもしれません。
小学校の文章題のようなお話ですが、2人分でしょうゆ大さじ 1 1/3のレシピで5人分の料理を作るときに必要なしょうゆの量を求める場合を考えてみたいと思います。
$${1 \frac{1}{3} \div 2 \times 5 = \frac{^2\bcancel{4} \times 5}{3 × \bcancel{2}} = \frac{10}{3} =3 \frac{1}{3}}$$
以上から、大さじ 3 1/3を用意すれば良いことが分かります。これは実生活の中でも活用できそうです。このように活用できることを考えると、帯分数はだいぶ実用的で大事なように感じます。
ところで読み方は
ところで$${1 \frac{1}{3}}$$は何と読むのでしょうか。おそらく現在は「一と三分の一」と読むのが一般的かとと思います。ちなみに私は昭和50年代生まれですが、私の親の世代(昭和30年代生まれ)だと「一か三分の一」と読んでいたように記憶しています。インターネット上の記事『帯分数の読み方・・・「か」か「と」か・・・そして「か」とは?』にも、この読み方のことが出ています。
この読み方が年代によって変わってしまった点もちょっと不遇な感じが出ている気がします。
最後に
小学校でしか使わないと言われて不遇な感じのする帯分数ですが、料理のレシピで活用されていることも考えると、もうちょっと大事にしてあげても良いように思います。