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NHK特集「みんなの更年期」の内容と自分の決意

2022年4月16日のNHK特集は「みんなの更年期」。とてもまとまった内容で見逃した方のために感想と共に内容を取りまとめてみました。

更年期障害の職場での影響・様々な症状に悩まされる女性のエピソード・医療での問題・海外での取り組みなど多様な角度から更年期をとらえた内容でした。

更年期障害の職場での影響

更年期世代の働く世代は735万人。NHKの2021年の調査(インターネット調査 2万6000人余り)によると、。症状を感じている人はおよそ4割。離職46万人。降格を含めた更年期ロスは75万人。 経済的損失は4200億円ということが分かっています。

その中では更年期障害がきっかけで雇止めにあったエピソードや、更年期障害をきっかけに休職し、その後降格になった結果離職をした女性の話もありました。

更年期で仕事を辞めた女性のエピソード

①子供が自立したことをきっかけに、フルタイムで働き始めた女性

更年期障害と診断されたころからフルタイムで働くことが困難になった女性。パートタイムで切り替え収入は1/3に。子供が自立した第二の人生が思わぬ壁にぶつかった話が紹介されていました。

②長年正社員として築いたキャリアを失った女性
更年期症状のため降格。42~43歳で不妊治療をあきらめました。子供がいない分キャリアアップが自分の中でウェイトを占めていました。

更年期・調子が悪い・スローペースで働きたいと管理職の立場では言えなかったと言います。「そのカードを出すと負けという気持ちになる」男の人と同等で居たい、という気持ちがあったと言います。

不調で休職したあと復職後、新卒と同じまで給料が引き下げられました。

人事部長からは「しょうがない」「嫌なら居場所がない」と言われ、「これまで頑張た自分が全部否定されるような気がする」と涙声でインタビューに答えていました。

このエピソードを聞き、いたたまれない気持ちになりました。しかし、社会の構造が変わればこの問題も解決されるのでは、と思います。

更年期症状の多様さ

次から次へと出る症状への対処の難しさ。病院探しに疲れ果てて諦めたという声もありました。

診察券整形外科・耳鼻科・神経内科などそれぞれの医療機関の処方された薬で対処したが症状が良くならなかったと言います。

6つめのクリニックで更年期と診断され、今は漢方薬を飲んで対処。「更年期と分かっていれば悩む時間がもっと少なくて済んだ」とその女性は答えていました。

更年期障害は倦怠感・めまい・ホットフラッシュ70近くの症状があります。症状が多様な理由は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少するためです。

エストロゲン=骨を丈夫に、血管をしなやかに、気持ちを明るくといった作用があるのです

そのため更年期では脳がつかさどる自律神経も変調をきたします。

暑くないのに血流を増やしてホットフラッシュを引き起こしたり、動機・めまい・頭痛・不眠などの原因にもなるのです。

私自身更年期障害だと気づかなかった頃は「自分自身の問題なのではないか」と随分悩みました。「自分の甘さのせい?」「体調管理が悪い?」などの気持ちで押しつぶされそうになりました。

更年期障害に伴うイライラについての声

NHKアナウンサーの武内陶子さんも常にイライラして夫にも子供にもあたっていた、と話されていました。

家族との関係で、子供が気を遣うように…。

NHKみんなの更年期

実際の声としては夫との関係に支障が出て、離婚にまで発展したエッセイスト葉石かおりさんのエピソードも紹介されてました。

あるときから突然夫の些細な行動にも怒りがこみ上げるようになった。注意ではなく、感情のはけ口として怒りをぶつけていた気がする…。

NHKみんなの更年期

更年期症状が出て5年が経ったころ、15年間飼っていた猫に向かって怒鳴ってしまったのを見た夫が「猫に言ってもわからないよ」と言った。普段は穏やかな夫が珍しくそう声をかけた

NHKみんなの更年期

その後離婚が成立し、その後更年期障害が原因で怒りが収まらないことがわかって愕然としたとのことでした。

実際更年期になって3割の方が夫婦関係に深刻な影響を与えたというデータもあるので、知らないまま更年期を過ごすと深い影を落とすことがあるのだと改めて思い知らされました。

変わる女性の人生の中での更年期の位置づけ

1947年では女性の平均は寿命54歳で、更年期に寿命を全うしていたのですが、2020年は88歳まで平均寿命が伸びています。

NHKみんなの更年期

今更年期の女性は子育て・介護・責任のある仕事など様々な困難を抱える中で更年期に入っています。昔で言う「おばあちゃんの症状」ではなくなっており、家族や社会の中で「核」となる存在の中で更年期が訪れるのです。

更年期障害をめぐる医療の状況

医療制度上の問題からくる更年期障害対応の歪み

日本女性医学学会の岡野浩哉医師はホルモン補充療法(世界的に標準治療として取り入れられている方法を推奨)を採用しており、多くの患者が日常に支障がない程度までに快復したといいます。

しかしホルモン補充療法を選択している人は5.2%

NHK調査

なぜ日本では浸透しないのか

専門外・詳しくない61%
処方した経験がない28%
管理が難しい 25%

NHK調査

知識や経験不足を答える人がほとんど

また制度上の問題で下記のようなことも分かってきました

問診に時間がかかり診療方針が見合わない
経験的に採算が合わない

NHK調査

月経困難症も更年期障害も
初診料 2880円
再診料730円
と同じだが
ホルモン剤投与の管理料2500円が上乗せされるのは月経困難症のみ

NHKみんなの更年期


2020年度に月経困難症の診療報酬上乗せによりホルモン治療法が浸透してきたことや、2022年度に不妊治療の保険適用がされたことなどいろいろ整備されてきたのですが、いまだ更年期については制度上の改定めどが立っていないことが現状とのことでした。

そういった制度上の問題で必要な人に必要な医療が届かないのは非常に残念であるなと思います。

また、専門知識を持つ医師の育成が急務とされています。日本全国どこにいても同じ治療が受けられるようにすることも大切です。

私もご相談をうけることが多いのですが、地方では更年期医療に詳しい医師に出会うこともままならない状況となっているのです。

「それって更年期じゃない?」だけで片づけることのリスク

更年期に向き合わない際の大きなリスクとして日本性差医学会の片井みゆき先生のエピソードも紹介されてました。

片井先生の患者さんの中では27%に別の疾患があり、中には命に関わるような病気もあったとのことです。

全て更年期のせい、とすると深刻な病気を見逃す可能性があるため、更年期の時期の不調は軽く見ずにきちんと対応する必要があると警告しています。

当事者の声を受けたNHKの発信

社会の空気を換えて欲しい

更年期は笑いのネタにされがち。40代過ぎて怒りっぽくなると「更年期じゃないの?」と揶揄される

語れないことが多い。メディアも「これが常識」とするよう発信してほしい。

そういった声を受け、NHKでは著名人の発信にも注力しています。これま小島慶子さん/有森裕子さん/有森成美さんなどの生の声も発信されてました。

著名人の協力を得て更年期について率直に語る機会を作っているとしています。

またオンライン座談会 25人で実施し、症状・仕事のことを話し合う中で

語り合うことで前向きな気持ちを取り戻す
私だけじゃないと思うだけで頑張れる

NHKみんなの更年期

といった声が出てきており、やはり社会的な理解があると随分気持ちは楽になるのだと感じました。

私自身企業で更年期についての理解を求める講習会をしてきましたが、「知っている」と「知らない」とでは随分認識が変わります。

その中で実際講習会に参加したほぼすべての女性が「男性にも更年期についてきちんと知って欲しい」と答えています。

更年期障害に対する周囲の理解の重要性に関する医師のコメント

これまで1万人以上の更年期の女性を診察してきた医師の小山嵩夫

10分でもお母さんの話を聞いたら違う。更年期の症状を悪化させる原因はストレス。当事者が安心して語れる場所を作ることで、ストレス要因が減り症状も緩和される。

NHKみんなの更年期

と伝えています。

また実際に母親の更年期について向き合った息子さんのエピソードの紹介されてました。

私も夫が更年期を理解してくれるようになって随分体調がよくなり、ストレスも緩和されたのでこの重要性はひしひしと感じています。

更年期障害に関するイギリスの対応について

イギリスでは更年期障害の対策本部が設立されました。国の重要課題として更年期対応をするようになったのです。

その中には

ホルモン補充療法の手当て・企業による対策・推進教育の充実

などの内容が盛り込まれました。

更年期を理由とした差別的な待遇を防ぐ法整備を進めている。支援しないことはおかしいこと。社会は女性が自尊心や尊厳を回復する義務がある。

NHKみんなの更年期

この問題について声を上げた女性は「10年変わらないと言われたが5年で社会が変わった」と話しています。

今イギリスでは更年期についてオープンに語れる環境が整備されているます。

実際にある保険会社では更年期女性をサポートするための聞き取りが始まっていました。男性の上司が女性に状況を聞き、「共有してくれてありがとう」と答えているところが放送されていました。

その取り組みの中で「集中力の低下によって自信を失い、昇進はできないと思うことがあったが、今では職場の支えを感じられるようになった」と上司に聞き取りを受けた女性が答えていました。

また学校で更年期症状について知ることが義務化されました。実際に学校では当事者のために何ができるか子供たちに問いかけていました。

日本社会の課題

職場の課題

現在日本では生理休暇・産前産後休暇はあるが、更年期を明記した法律がありません。

しかしその結果、20年積み上げたキャリアをたたむことになる人もいるのです。

だからこそ、今「社会をどうしていくのか」といったことを考える必要があります。

実際流通大手の労働組合で実態把握のアンケート調査を実施しました。

228人の54%が更年期障害自覚したと答え、休職・降格などの役職変更の人もいました。また、51.5%が相談したことがないと答えています。

そういったことから、環境づくりをしてあげることが大事と結論づけていました。

どんな社会を目指すのか

こういった課題を踏まえて皆さんでどんな社会を目指すのか、といったことを深く考える必要があるでしょう。

「自分事」とするとなかなか声が上げられない女性が多いことも知っています。しかし、自分だけではない、多くの人が悩んでいる問題である、と知った時、声なき声を上げていく事も大切です。

社会全体が正しい知識を得て仲間や家族に励まされて乗り越えていける社会

NHKみんなの更年期

それは私自身が目指す「一人で辛さを抱えない社会」とリンクします。

メディアの方、医療分野の方、多くの方と共にこの問題を解決するために尽力していきたいと決意を新たにしました。

また、NHKの中でも自分と同じ境遇の人がいることでとても安心する、という座談会での声がありました。

当社では「よりそる更年期コミュニティ」といった、Yahoo知恵袋のような掲示板を作りました。

回答は主によりそるの会員様がしてくださっています。同じ境遇で向き合いながら当社サービスを活用しつつ乗り越えていらっしゃる方なので回答も参考になるかと思います。

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更年期障害を乗り越えるための大切なこととしてコラムを書いてますので良かったらこちらもご覧になってください。






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