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更年期を社会課題に~政府に声を届けようの活動 第一回インスタライブ~

2022年7月31日に、社会課題をインスタグラムで発信続けるKnow This More (https://www.instagram.com/knowthismore/  )を運営される福田真宙(まそら)さんとインスタライブを実施しました。

今回はこちらの内容をnoteにまとめてみました。

動画はこちら▼

フォロワーが2.8万人おられるKnow This Moreさんは若い人にも分かりやすく、「今起こっている社会問題をまずは知ってもらう」ということから数多くの社会課題について発信をされています。

中の人は福田真宙さんと言って、実は今アメリカのロサンジェルスにおられます。まだ20代ととても若い方ですが、母親世代の更年期のことについても興味を持ってくださり、この度一緒にインスタイベントをすることになりました。

3回実施予定の本イベント。今回はその第一回目について、アーカイブとともに当日の内容をまとめました。

自己紹介

福田真宙(ふくだまそら)
Know This Moreの中の人。映画プロデューサー・クリエイティブディレクター。現在L.A.在住

高本玲代(たかもとあきよ)
自分が更年期が辛かった原体験で事業を立ち上げました。当時体調がなぜそんなに悪くなるかわからなかった。情報収集して医療にアクセスをして楽になりさらに、家族含め周囲の理解を得て働き続けられる環境を整えていきました。

以下コメント真宙、高本で記載いたします。

更年期は誰しも経験する可能性があるということ

高本:「フェムテック」というバズワードがあったので、サービス立ち上げから40社以上の取材は受けています。他方、年間300件以上の更年期の方の相談を受けると、この問題は個人での対処だけでは難しいと感じています。

自分のサービスは抜きにして、社会全体で解決するためにはどうしたら良いのか、ということを含めて若い人も一緒に考える機会を今回真宙さんに与えてもらいました

私の中で更年期とは月経前後の辛さが四六時中続く形で時にめまいなども感じました。

真宙さん:更年期になったってどこまで気づけるのかが難しいですよね

更年期とは何か、社会への影響とは

高本:更年期は一般的に45~55歳と言われていて、その症状は200ほどあると言われています。

人によって症状、出る期間、深刻さが違って、大変な人は「自分自身の問題ではないか」「周りに迷惑をかけてしまっているのではないか」とメンタル的に追い詰められてしまうのです。

結果、NHKのデータでは100万人更年期ロスが出ています。(こちらは男性も含まれる)

この課題はかつての「うつ」と同じように個人の「気持ちの問題」とされていたが、更年期障害は「疾患」であり、きちんと解決すべき問題だと少しずつ認知されてきています。

真宙:そうですね。個人の問題として片付けられやすいですね。

高本:他方、ジェンダーギャップの大きな「男性社会」である日本では女性特有の体の問題は後手になりがち。

妊娠・出産に始まり、妊活・月経がようやく着手されてきた感じです。

政府が調査を始めたのが更年期の今の段階になります。

更年期の社会的な問題とは

高本:当事者は待ったなしであると同時に、時間のかかる取り組みなので、今の若い人にも自分の未来に向けて考えてもらいたいと思っています。

これまでのご相談の中で4つの問題があるとづきました

1.「更年期」という言葉が差別的である

更年期=イライラおばさんという一般認識があるため、周りに相談しにくい。また更年期が個人的な問題とされているため、理解されずに不当解雇される現状があります。

2.更年期に関する知識が女性当事者が得る機会がない


企業検診などでメタボチェックのように自動的にチェックできる環境があれば、セルフケアをしたり、医療にアクセスできます。

3.周囲の理解が必要


生理休暇は厚労省の発表で利用率1%とされている。制度があっても使えていない現状があります。

その背景には周囲に理解がないと「休みます」ということが言いにくい。

→当事者だけでなく周囲の理解を促すことが大事。企業に義務付けていくことで社会全体の知識が上がっていく

KnowThsiMore -よりそる イベント

4.更年期の地域格差の是正


どの婦人科でも更年期を見てもらえるか、というとそうではない。
医大で更年期についてすべてに医師が学んでいるわけではないので、知識格差があります。

日本は本来保健医療でどこでも同じ医療が受けれるはずが、医師による格差があるためなのです。

婦人科を目指す方は医大生の時にみなさんに更年期について学んでもらえるようにしてほしい

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真宙:人生長いのでどんなに年をとっても見てもらえる医師がいるのが良いのではないでしょうか?

高本:フランスなどは一生見てくれる婦人科の先生がいたりすると聞きます。日本は妊活・出産など各々先生が分かれていたりするのです。

真宙:子宮を持つすべての人がかかわる問題で、教わる機会がない。
なんとなくわかる人はわかる、という世界になっていますね。社会全体での理解が乏しいと感じます。

高本:月経でも理解のある・ないの差が激しい世の中です。

かつて月経の辛さを訴えたら上司に「他にそんな人いない」と言われたり「みんなしんどいけど我慢している」と言われたりしている話を聞きます。

妊娠して駅で辛くてうずくまっていたら「自分で作ったくせに無責任だと言ってくる人がいたというエピソード」なども…。

真宙:SNSで出てくる人は氷山の一角の問題がでてくる(マイクロアグレッション)であり、世代により価値観のずれがあると、仕事場で上司から、というもやもやも生まれるのではないのか、と思います。

高本:自分たち(更年期)の世代は若い人たちが我慢しなくてよい世界を作っていくことが大事です。自分が辛いということで「あなたも辛いって言ってよい。そういうことが大事なんだよ」と次世代に見せていく必要があります。

真宙:辛いことが辛いと言えない文化。アジアが主にそうなっている。メンタルヘルスも「気のせい」「時が解決する」と言われたりしますよね。

そこに対してセラピーに行くことが普通になればよいと思います。

高本:アメリカは普通にカウンセリングを受けるけど、日本は相談すること自体がハードルが高い。「ちょっとしんどい気持ちを吐き出す」という軽い気持ちでカウンセリングなども使ってもらえると良いと思います。

抱えむことが良くないはずなのに、なんでも自分で解決しなければいけないと思ってしまう。

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真宙:本人だけでなく、周囲も理解していくと相談も受け取れるようになりますね。

高本:イギリスが更年期に関する活動を始めていて Make Menopause Matterを日本でも実現していければと。

日本とイギリスの人口構造がとても似ていて、でもイギリスは出生率がそこまで下がっていないけれど、日本はどんどん働く世代に負担がかかるようになっています。

今から声を上げないとなかなか自分たちの体に目を向けてもらえないという危機感から活動を続けていきたいと思っています。

Know This Moreのフォロワーさんからの質問について

真宙:35歳独身 少しでも楽に乗り切る方法を教えてくださいとのこと

高本:不安を感じるのは「知らない」こと。更年期障害がどういうものかをきちんと学ぶことが大事です。コミュニティーにアクセスする(無料コミュニティーはこちら https://www.community.yorisol.com/  ) SNS ( https://www.instagram.com/yorisol_com/  )  ( https://twitter.com/Akkyo819 )で情報収集をしていき、ネットワークを作ってコネクションを持っていくのがおススメです。

知ってきちんと対処すればあまり怖いことはありません。

真宙:オフラインでもネットワークをもっておく方法はありますか?

高本:今回をきっかけに周りの人に話してみる。更年期って30代後半から体調悪くなったりするみたいだよ、と発信源になり、日頃から自分たちの体について話せる機会を作っておくのは良い機会になります。

症状や深刻さが多岐に渡るので、周りが理解してくれないこともあります。その時はリアルでだめならコミュニティーにつながる、など使い分けをしていくことも大事かと思います。

真宙:いつから更年期の準備をしておけばよいですか?

高本:女性ホルモンの不調は30代後半からなんとなく出てくるという方は多いです。

また、PMS(月経困難症)が辛い人は更年期も深刻になりやすい。

しかし、月経は辛いのが当たり前、とするのではなくその時期から信頼できる婦人科の医師を見つけておくことが大事です。

また、更年期障害は自律神経失調症の症状が出てくる(不眠や胃もたれ、疲れなど)。

当たり前のように睡眠・食事・運動などがかかわってくるので、睡眠時間を削らない、30分は歩いてみるなど日常に気を遣うことも大事になります。

真宙:コントロールできないことに対する不安がとても多いと感じます。
レイヤーを増やしていく、対応できる医師も増やしていく、気づける自分も必要という「どの社会問題にも共通すること」だけどやっていかなくてはいけないことですね。

今の40~50代はどのようなことをすすめられますか?

高本:情報収集をしていくこと、周りにも発信をしていくことが大事。「更年期」とわざわざ言わなくても「不調が出てきている」と伝えてみましょう。

「気のせいじゃない?」と言われたら「100万人のロスが出ている」というNHKのデータがあるよ、という数字を見せるということが大事です。

自分一人のわがままではないということを伝える

そのうえで自分がしてほしいこと「通院のため休ませてほしい」「業務量の調整をしたい」まできちんと伝えていくことも大切です。

真宙:きちんと提示していくことが大事ですね。

高本:NHK 更年期で検索してプリントアウトしてみるのはおススメです。

そういうことを言い始めると周りでも「私も」という声がでてきて「ここの病院がよい」「このサプリが良い」という意見が自然と集まってくるようになります。

ポーラさんで更年期の研修したら、社内でコミュニティーができあがってその中で情報交換が行われるようになったのは素晴らしいことです。

真宙:閉経や更年期の未来を考えると不安になる。いつかくるかもしれない未来についてどうやって考えて前に進んでいくかですね。

高本:若い人は環境問題に関心が高くて10~20年後もっと先を見据えている。

更年期は未来の自分に種をまくこと。今できる事はわずかでも、今困っている人とちょっとした何かを動かしていく、ということが大事ですね。

そもそも女性の問題は100年前までは選挙権もなかったのが今は変わっている。悲観視しすぎずに、いつの時代でも自分たちが心地よく生活できる・働けるようにしていくことに参加していくことが大切です。

真宙:やっていかないと下の世代がずっと悩まなくてはいけない。今から動いていくこと、一人一人が考えていけたらよいかと思います。

更年期って特定の問題だと思われがちだけど、パートナーや上司が更年期で悩むこともありそうですね

高本:男性で奥さんが更年期で人が変わってみたいになる、とか男性も気にかけているけど「更年期」というとセクハラになりそうで言えないという悩みもある。

男性の80%の方は女性特有の健康問題に対処したいと思っています。(あすか製薬調べ)

世の中の制度的にきちんと話し合えるようにした方が男性としても楽になる、という人もいるのです。

真宙:人口の半分だけが影響する問題ではないとイギリスの社会活動でも言われていていますよね

高本:男性にも更年期があって、ホルモン影響を受けるのは男女一緒。また本人だけでなく周囲も影響を受けるというのも同じですね。

真宙:ジェンダー関係なく誰にでも起こりえるのですね。

また、地方格差っていろんな問題がありますね。日本特有の問題にも思える

どれくらいの格差があるのですか?

高本:更年期の対応をやっています、というリストをもらったのですが地方だと1件も医療機関が書かれていない県、などがあります。

最近ではリモートでどこでも住めるようになったのに、都会から地方移住した人が困っている話も聞きます。自由に住めるけど医療の恩恵が受けれなくなる、という声も。

真宙:地方格差との解消に時間がかかる気がしますね

高本:最近ではLINEの医療サービスでリモートで診察が受けられるものがあったりして、自分の婦人科もそういったものを活用するのも方法かと思います。

1年に1度の検診などはクリニックに行く必要があるが、それ以外は処方箋を出してもらったりちょっとした相談をするはできるからそういったテクノロジーを活用してもらいたいですね。

遠隔医療が広がれば問題は多少は解決されます。

真宙:経済的格差の問題はあるのでしょうか?

高本:更年期の問題は、弱いところに出やすくなる。特に非正規の人は有給が取りにくい(日数が少ないなど)、通院で休みが増えると派遣切りにあってしまう、などがあります。

診療は保険診療になるが、非正規の人にとっては働き口がなくなるリスクがあります。また、もらっている給料の比率で考えると、所得が低い人ほど医療費の割合が高くなるので、厳しくなってきますね。

真宙:非正規の雇用率が女性が多いので、そこの格差を埋めていくことが解決につながっていくのでは?

高本:更年期による不当解雇はやめてほしいと署名活動にも入れていて、きちんと社会で下支えする必要があると思っています。

署名について

今回4つの課題を解決するために皆さんの力を借りたいです。

①更年期を差別的に使わず、不当解雇をなくす

②健康診断に入れていって、自動的に受診につながるように対応する

③当事者だけではなく周囲の人(特に上司)も更年期についての研修を受けることを必須とし、上司部下の間できちんと意思疎通を行える体制にしていくこと

④更年期の地域格差が出ないように、これから婦人科になる医大生には更年期に関する事業を必須とする

こちら、以下のリンクから誰でも署名、拡散できますので是非よろしくお願いいたします。






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