見出し画像

大手企業から中小零細企業に初めて転職するとここが違う!自分はどちらに進むべきか?

私はWeb制作業界に入る前は、某大手メーカーのグループ会社でシステムエンジニアとして働いていました。

大手企業にいた時は、飲み会の席で先輩方から、転職するなら小さい会社の方が絶対に良いぞ!と言われていました。
新卒入社して転職したことのない先輩方が、なぜそんなことを言えるのかな?と当時は疑問を感じていたのですが、実際に自分で転職をしてみて、大手システム会社から、中小のWeb制作会社に転職して、様々なカルチャーショックを受けました。

最初から中小企業で働いている方にとってみると、そんなの当たり前だろ!そんなこともやってないのか!と思うことでも、大手企業では携わることのない業務であったりします。

この記事では、そういった私個人が中朝企業へ転職して経験した、カルチャーショックをまとめてみました。
ごく私的な経験を連ねた記事ですが、率直に自分が転職をし、複数社を転々として感じたことを書いています。

会社の状況は会社によるので、偏りのある内容になっています。

そのあたりを踏まえて、これから就職や転職をする際に、大手企業と中小・零細どちらを目指すべき?ということで迷われている方の少しでも参考になればと思います。

社会人6年目にして、見積書作成の初体験。

大きな会社に勤めていると、私くらいの年代(30代~40代)でも、見積書の作成をしたことがない、自分の関わっているプロジェクトの見積金額を知らないという人はざらにいます。

私も大手システム会社にいた時は、見積もり会議をやっているな、大変そうだな、くらいのイメージしかなく、見積書もみたこともないですし、プロジェクトの見積金額も知らずに働いていました。

それが中小のWeb制作会社に転職すると、社員全員が見積書を自分で作成して、自分が貢献した売り上げを把握していました。
3月の繁忙期で何千万売り上げた、なんてことをそんなに歳の変わらない先輩社員が言っているのを聞いて、なんだかレベルの違う世界だなと感じました。

自分で見積書を作ったことすらなかった私は、いきなり見積書を作らされて、会社の大事な売り上げに関わる金額を私ごときが判断して良いの?とかなり困惑した覚えがあります。

今でこそ、見積書作成くらいしか仕事もなく、売り上げには人並以上に敏感になりましたが、当時は売り上げに直接触れることはなかったので、かなりカルチャーショックでした。

肩書に縛られず、何でもやらないと生き残れない。

小さな会社でも役割分担がきちんとしている会社はありますが、私の経験上、肩書に縛られて自分の役割に固執するような人は、いづらくなると感じました。

エンジニアの方に特に多いのですが、自分の役割以外は絶対に他のことはやらない、というスタンスを取る。
たとえば、電話を取る、掃除をする、自分の分担以外のちょっとした作業をする。小さな会社は家族みたいなところもあり、ただ単に自分の分担の業務だけをこなせばよいというわけにもいきません。

そもそも人数が少ないので、あれは嫌だ、それは自分の役割ではないからやりたくない、は通じません。

それで通るたくさん会社もあると思いますが、少なくとも私の所属していた制作会社では、そういう人は「厄介な人、扱いにくい人」として扱われていました。

自分の肩書に対してポリシーを持っている方も多いので、私は肩書に縛られること自体を否定はしません。それが悪い事ではないと思います。
大きな会社だと、それでも良かったし、先輩方も自分の役割とか分担などの主張をするのを見ていました。
当時は、きちんと自分の役割を主張することが正しい、それができる先輩というのは一目置かれている感じでしたが、中小企業に転職すると真逆でした。

最初に入社した制作会社で「もっと案件に首を突っ込まないとだめだ」と言われたことがあるのですが、これは今になって思うと、まだ自分の肩書というものに縛られていたのかもしれません。

システムエンジニアとして入社をして、デザインやディレクションの勉強もさせていただいていたので、自分がどの立ち位置で、どこまで制作に踏み込んで良いのか分からず、躊躇していたことはたしかです。

私にとってみると、最初に入った制作会社は、なんでもやらされる社風だったので、それはそれで勉強になりました。
ただ、肩書に縛られてしまい、自分に関係のないことをやらされている感じが耐えられず、辞めてしまう人も多かったように思います。

俺はエンジニアなのに、なんでクライアントの電話を受けたり、ディレクション業務までやらなきゃいけないんだ!みたいな。

少人数がゆえに、人間関係につまずくと逃げ場がない。

Web制作業界は10人かそれ未満の少人数の会社が多いですが、人の入れ替わりが激しいのは、こういったことも要因なのかと思います。
少人数の会社では、人間関係が一度崩れてしまうと、修復できれば良いですが、修復できないと誰かが退職するしかありません。

私が所属していた制作会社では、人間関係が崩れて誰かが辞めていく、という光景を何度もみました。

大手企業に所属していた時は、深夜残業や休日出勤などの、労働時間が厳しくて辞めていく人が多かったです。
しかし、制作会社では、同じように労働環境が厳しいのにも関わらず、それが理由で辞めていく、たいていは誰かと揉めたとか、人間関係が悪くなっていづらくなった、みたいなことが原因でした。

ちょっと仕事が遅い人、できない人は目立つので、かなり厳しく当たられるパワハラ・いじめのような傾向もありました。
私も未経験で入社したので、そういう扱いを受けて、かなり精神的に辛い思いをしたこともあります。

結局、会社の人間関係というのは、仕事上での付き合いでしかないので、人間関係が崩れるのも、仕事のやり方とか仕事ができる出来ないとか、そういうところからこじれることが多いようです。

部署がいくつもあるような大手企業だったら、何かしら理由を付けて、人事異動を相談することもできます。
大手システム会社にいた時は、そうやって開発部門から総務部などの間接部門に異動する方も多かったです。

しかし、小さな制作会社では移動先なんてないですし、結果として退職するという選択肢しかないことの方が多いです。
一人一人の社員に親身になってくれる会社もあるかとは思いますが、私の所属していた制作会社はかなり厳しかったです。

なんでもないただの有給休暇が取りにくい。

もちろん、病気とか怪我であれば有給休暇は取れますが、「なんとなく休みたい」「遊びに行くから今日は休みたい」という、なんでもない休暇を取るのが難しかったです。

申請すれば取らせてもらえるのかもしれませんが、そういうことを言える環境ではなかったのはたしかです。

昨今では、そういう会社はブラック企業などと言われるので、大分緩和してきているとは思いますが、私が所属したWeb制作会社は、かなり取りにくい雰囲気でした。

大手企業にいた頃は、自分が休んでも代わりはいるし、プロジェクトは止まりません。ですので、事前に申請しておけば休めることも多いですし、休んでいても気に留める人も少なかった気がします。
(ただ、私は炎上しているプロジェクトに参加させられることが多く、有休どころか代休の消化もできませんでした。)

小さな会社だと、自分一人で複数のクライアントを担当することも多く、自分の代わりや、代わりに対応しておいてほしい、と頼める人がいないことも多いです。

ただ、自己責任で案件を勧められることで休みやすい会社もあります。
中小企業では、一人一人の作業の重さや責任が大きいです。

大手企業だからといって、責任が小さいわけではないですが、人数が少ない分、ことの重要性というよりは、物理的というか人員的に責任が重いのです。

出張や転勤がない!

これは良かった!本当に良かった。

私が大手システム会社を辞めた理由のひとつに、突然の遠地出張がありました。
たとえば、明日から福岡支店へ行け、と急に言われて、2泊分くらいの準備をしてとりあえず行って、それから2か月近く帰って来れない、なんていうことはざらにありました。

一人暮らしでしたので、家のことも気になりますし、帰れないことは自分の家が好きな私にとって、非常にストレスでした。

大手企業は、単身赴任や転勤などもざらで、私の知人でも突然東京から大阪支社へ異動になったり、家庭のことなんてお構いなし、コマのように人を動かす傾向があります。

遠地出張が楽しいという人もいましたが、耐えられずに、ある日の勝手に新幹線に乗って帰っちゃう(逃げちゃう)人もいました。
私はさすがに逃げませんでしたが、長期の遠地出張で、そりの合わない上司とずっと一緒にいるのがかなり辛かったです。

Web制作会社の場合、都内の会社であれば関東圏、都心の案件しか受注しないことが多いので、遠地出張は完全になくなりました。
他県に打ち合わせに行くことはもちろんありますが、泊りがけで行くとか、遠地で常駐なんてことはまずないです。

本当に良かった・・

社長は上司。

大手企業では、社長の顔を知らない人もいるでしょう。
エレベーターにさっき一緒に乗ってたの社長だぞ!なんて囁かれるくらい、大手企業の社長は雲の上の存在です。

とある炎上プロジェクトに携わっていた際、社長が視察に来る!という話が出て、上司たちが大慌てしていることもありました。
社長がプロジェクトを視察にくる、なんていうのは大手企業では一大イベントなのです。

そのくらい社長の存在感はすごかったです。

ところが、小さなWeb制作会社だと、採用面接の段階から社長が出てくることも多く、社長がすごく身近な存在になります。
社長のベンツに乗せてもらい、「うわ!やっぱり社長ってベンツなんだ」と感じたこともありました。

売り上げが少ないと露骨にイライラする社長。

また、売り上げが上がらないと社長がイライラするのを目の当たりにして、会社の仕組みというか、会社は売り上げで生きているということを改めて実感しました。

最初はなんで機嫌が悪いのか分からなかったのですが、Web部門の売り上げが悪いということで、イライラして人当たりが強かったのを覚えています。
雲の上の人、という印象から、社長と言いつつ人間なんだなあ、とイメージが変わりました。

社長は人望が厚く、人格者である。
器の大きな人間である。

というイメージを抱いていましたが、むしろ中小企業の社長って、子供っぽいところもあります。
「社長なのに・・・!」みたいなことをSNSで書き込んでいる人もいますが、それは勘違い。社長も同じ人間です。

自分は大手企業と中小企業、どちらに向いているか?

ざっくりというと、ビジネスの一通りの流れを自分で把握して経験したい人は中小・零細企業。
福利厚生などの待遇の充実を重んじる人、中小企業では経験のできないようなビッグプロジェクトに携わりたい人は大手、なのかなと思います。

将来性や安定性という面においては、昨今ではどちらとも言えないのではないでしょうか。

たとえば、自分で独立するために、ひとつの事業やビジネスを最初から最後まで経験したい、という方は中小の方が携わらせてもらえる可能性は高いと思います。

独立志向などもなく、学歴もあって誰もが知っている大手企業に入社できるのであれば、親御さんも安心するでしょうし、絶対はないにしても、安定性は中小零細企業よりは、多少高いのかなとも思います。

私の場合は、新卒ではシステム会社に入りたかったわけでもなく、大手企業の入社試験を受けていたら、たまたま受かったので入社しただけ。
業種などもあまりよく選んでいませんでした。

そして、その後やっぱりこれで良いのか?と疑問に思い、Web制作業界へ入り、現在にいたります。

たとえば、私の逆パターンで、中小の広告代理店から大手企業に転職したら、やりがいが全然なくてつまらない、とぼやく知人もいます。
たしかに、私も今から大手企業の歯車の中に飛び込んでいく自信はありません。

そういう意味でいうと、私個人的には大手企業でビジネスマナーとか、大きなプロジェクトの中で立ち回ることを学び、中小のWeb制作会社ではビジネスの一通りを学べました。
この順番に転職できたことは自分にとって、良かったと感じています。

やりたいこと、目指すことが明確にある人は、自分の目的にあった会社を選べばよいと思いますが、何もない自分のような人は、大手で学び中小でステップアップという道も悪くはないと思います。
あくまでも私個人の経験上ですが、今はそう思えています。

プログラムなんて大学の授業では一番嫌いだった私が、今や個人開発なんてしているくらいですので、人間どこで考えが変わるかなんてわかりませんからね。

いいなと思ったら応援しよう!