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【短編小説】休みの日はキライなの

その想いは、彼女が離婚した数年前から始まった。彼女は当時、大手企業で働くキャリアウーマンだった。忙しい毎日の中で、彼女にとって休日は待ち望まれるひとときだった。


しかし、それは今となっては、遠い思い出となってしまった。


彼女は離婚後、自分の生活を切り盛りすることができなくなり、パートタイムの仕事を探さざるを得なくなった。その時、彼女は知り合いから紹介された、地元にある小さなコンビニで働くことになった。


彼女はもともと高学歴であり、社会人経験も豊富だったため、働き方や職場のルールに慣れるまでは苦労したものの、それなりに順応することができた。


しかし、休みの日になると、彼女は憂鬱な気持ちになってしまった。なぜなら、休日は彼女にとっては、ただただ暇な時間を過ごすだけの日だったからだ。


彼女は、もともと好きなことがたくさんあった。散歩や読書、映画鑑賞、旅行など、彼女が好む趣味は多岐にわたっていた。しかし、今はそれができない。


彼女にはパートナーもいない。友達になんとなく遊びに誘ってみたものの、みんなそれぞれ忙しいらしく、なかなか都合が合わなかった。


そんな中、彼女は落ち込む日々を送っていた。

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