(archives) [livereport] OTODAMA'13〜音泉魂〜 @ 泉大津フェニックス (rockin'onエントリー用) : Oct.2013

全国に誇る大阪の音楽的良心である。毎年、大赤字と噂されながらも、その類を見ない独自性をもって固定客のハートをがっちりと掴み、今年で9回目を迎えるOTODAMA~音泉魂~。あえて例えるならば仕事終わりのビールのように、おでんのあとのお茶漬けのように、大阪ではOTODAMAが夏フェスシーズンの終わりを告げるのだ。

今年は、前述のとおり迎えた「9回目」にかけて「球界目」、つまり野球推し。都合のいいことに、野球の試合は9回制だ。会場入りするやいなや、世界的に有名なあの「トルネード投法」のシルエットが目に飛び込んでくる。PAテント裏に設営されたやぐらに、近鉄バファローズカラーのユニフォームを着た野茂英雄と思わしき選手がプリントされたフラッグが張られており、ネームはOTODAMA、背番号は今年の年号である「13」。どうせなら今年が2011年であればなお良かったであろうが、致し方あるまい。

「真っ白いブリーフが大好きな、先行チケットをお持ちの方どうぞー!」。開場とともに、スタッフが連呼する奇声が泉大津フェニックスにこだまする。レイザーラモンによる、RGのすっかり全国的におなじみとなったあるあるも飛び出した入浴宣言を終え、「大浴場、1回表の攻撃は、四星球」と”ウグイス嬢”のコール(露天風呂でのステージ開始時は「裏」になる)。

そしてそのステージが、もはや今年のOTODAMAを象徴するステージだった。アルバムをリリースしたにも関わらず、今日は新曲をやらないと言い切ったVo.北島康雄が、今日のために作ったというOTODAMAの曲をプレイするという。その歌い出しが「ラッシュボールは2万人、音泉魂数千人♪」。爆笑が会場を包み、それと同時にOTODAMAにまつわる全ての愛が、会場を包む。のっけから、強烈な「音泉魂」だ。

会場を見渡せば、改めて考えずともおかしな光景である。決して広大な敷地であるわけでもないのに、N’夙川BOYSのステージと丸かぶりの時間帯にイントロクイズが催され、設営された大阪プロレスのリングにて試合が始まり、まったくの治外法権的にSET YOU FREEテントではステージが繰り広げられていく。フェスの中盤では、本日出演しない怒髪天の武道館公演を宣伝するべく、同じく出演しないフラワーカンパニーズのメンバーを中心に奥田民生やキヨサク(MONGOL800)などが参加した怒髪天のカバーバンドが結成され、最終的には怒髪天登場。その真裏では、クリトリック・リスがSET YOU FREEテントの屋根に登っていた。

これである。大規模な打ち上げとも言えるかもしれない遊び心に満ち満ち溢れたドンチャン騒ぎこそがOTODAMAなのだ。

これで今年も夏が終わりを告げる。「もうやめます!?」なんて言わせません。この一日がないと、締まらないでしょ。

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