![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162230771/rectangle_large_type_2_484bab492cdf076225fb9bf2e7a385e0.png?width=1200)
Photo by
kirico_katori
19.アンダルシアのヒマワリの木
スペイン・アンダルシアの小さな村に、不思議な「ヒマワリの木」がある。
ヒマワリは一年草の草本だから、夏が過ぎれば、完全に枯れてしまう。
ところが、この地で代々農業を営むセサール・グティエレスさん(71)のヒマワリ畑には、決して枯れることなく、毎年夏が来るとヒマワリの花を咲かす「ヒマワリの木」が植わっている。
「樹齢でいったら、15年くらいだね」
グティエレスさんは、首をすくめた。
「全く、わけがわからないよ。茎が木質化して――ほとんど、木の幹のようになっている。そして、地中海の短い冬が終わると、すぐに若葉をつけて、夏には無数の花を咲かすのさ」
地元では、「ジラソル・ミステリオーソ」と呼ばれる、この不思議なヒマワリ。
国立マドリッド大学のハモン・オルトネダ教授によると、厳密には、このヒマワリはやはり木ではなく、異様に冬に強い、宿根化したヒマワリであるという。どうしてそんなヒマワリができたのかは、誰にもわからない。
![](https://assets.st-note.com/img/1731845717-Y2ClMmxi5zd3IUawcAgqbFS4.jpg?width=1200)