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92.鹿山の泣き石


今も残る泣き石

 稲穂県滝水村たきみずむらに、変わった石がある。
 鹿山しかやまという里山の中腹に、文字の刻まれていない(あるいは風化して削れた)、年代不詳の石碑があるのだ。
 1909(明治42)年のある日、明恵みょうけい寺の住職が、石碑の前で読経をすると、石は、つう、と涙を流した。
 村人は驚き、以後、この石は、浄土宗の経をきかせると静かに涙を流す「泣き石」として有名になった。

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