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21.つなで通りのプロジェクション

 長野県某市にある「つなで通り」は、地域住民のみならず、観光客からも人気のスポットである。
 夕方には、どの店も閉店してしまうため、夜間の賑やかしにと、2028(令和10)年冬から「プロジェクション・マッピング」が試験導入された。街の歴史や、通りのいわれ、店舗の歴史などがマッピングされ、街への理解を促すねらいもあるという。

この日は、あいにく雨模様だった(著者撮影)


 市の観光開発課長(51)は、こう話す。「当市は歴史と伝統、それから、教育ですとか、あと文化といったですね、こういったもので、ちょっとは有名かなと思いますけれども、まあ、ゴーストワイヤートウキョウじゃないですけど、未来的なこう、ものも押し出していってですね、あのいければなと、思っております」
 この記事を書くため、私は、しなのに乗り、当市を訪れた。
 生まれて初めて来たが――良い街だ! 
 そして、実際にプロジェクション・マッピングを見てみたが――素晴らしい出来であった。
 ところが、妙なことがあった。
 ぼーっと、ある店舗のプロジェクション・マッピングを見ていたら、ぼうっと、落ち武者の顔が浮かび上がったのだ!
 落ち武者は、頭から血を流し、恨みの目で私を見つめていた。店の人に訊いたところ、そんな恐ろしいものはセッティングしていない、なんの話ですか、とのことであった。
 お立ち寄りの際は、あまりプロジェクションに見入らないことをおすすめする。

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