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97.世にも珍しいほうれん草の専門店


名玄本店(稲穂県大角市)

 ぼくは、ほうれん草が好きだ。
 お浸しも好きだが、ソテーがいちばん好きだ。バターで炒めた、あれである。
 で、稲穂県に「ほうれん草のソテー」の専門店がオープンしたと聞き、大変おどろいた。
 というわけで、やって参りました。ほうれん草の専門店、名玄さんであります。
 ――まず、店構え。
 これははっきり言って、明らかに、元は牛丼チェーンの店舗だったはずだ。
 でも、広々していて、清潔感がある。
「当店は、ほうれん草のソテーで勝負するお店です!」などと大書してあり、気合いを感じる。
 カウンターに座り、メニューを開く。
 当然ながら、ほうれん草のバターソテーが、すべてのベースになっている。100グラム300円。200グラム350円。400グラム550円。その次が、950グラム800円というメガ・サイズである。
 追加料金がかかるが、トッピングもできる。
 まず、王道のベーコンとコーン。
 それから、イカ、エビ、タコ、シラス、明太子、紅しょうが、ホタテ、あさり、揚げ玉、餅、とろけるチーズ、キムチ、かつおぶし、半熟卵、目玉焼き、長芋、オクラ、タケノコ、キャベツなど。複数のトッピングもできるから、最高の組み合わせを探すのも楽しいはずだ。
 トッピングはまだまだあり、別皿で、ラーメン、オムライス、ヤキソバ、スパゲッティ、カレーライス、お好み焼き、うどん、冷やし中華などが楽しめる。
 ぼくは、バターソテー100グラム(300円)に、トッピングはヤキソバ3玉(1200円)にした。
 総額1500円のほうれん草のソテーは……
 最高だった!
 腹もふくれ――
 これはまた来ようと思った。
「スタンプカード、作りますか?」
「お願いします」
「はい、かしこまりました。これからもトッピングを増やしていくつもりです。家系ラーメン、それから、寿司、焼肉なんかも導入の予定です」
「それはたのしみだ」        
 一週間でつぶれたということである。
 

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