70.SPARK BURN JAM

　追いかけても追いかけても逃げていく千年伯爵を探す道すがら、覚者旅団が立ち寄った食堂「楽園」で、身長３メートルほどの巨大な老婆が供した謎のジャム。
「さあさ、パンにつけて召し上がると、ほっぺたが融け落ちますですよ～」
　実は、うっかり食すと、感電するか、人体発火するかというスーサイド・ジャムであった。行く手を阻む千年伯爵一派のタクティクスだ！
　だが、不動岡ふどうおか武彰たけあきらは、見てないようで見ていた。老婆の鼻下に、ヒゲが！
「どこの世界に、ヒゲを生やした女がいる」
「キ、キ、キェー！」
　覚者旅団を惑わす者に、命はＮＡＩ。