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ビリヤニとピラウ。その2 ケニアのアラブ式帆船シュノーケリングツアー
自宅でビリヤニを作った事から思い出したビリヤニとピラウを巡る旅の思い出。
これまで書いたプロローグと第一弾の思い出話はこちらから
第二弾の今回は、激震バスでたどり着いたケニア/ラム島でのシュノーケリングツアーと、島のレストランで食べたビリヤニとピラウの思い出話です。
14世紀にアラブとの交易で栄えた歴史を持つ街ラムは、建物にも食事にもアラブ文明の面影を残す、のんびりとした田舎町。2007年当時には、まだアラブ式帆船のダウ船と呼ばれる船が生活を支える手段として利用されていました。
このダウ船に乗って近隣の島を訪ねてシュノーケリングするツアーがあるというガイドブックの情報を頼りに、ここを訪ねたというわけです。
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到着した日の夕方、宿のスタッフにツアーの事を聞くと、知り合いの船長を宿に呼んできてくれました。
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船長はランチ付き日帰りシュノーケリングツアーで、船一隻でUS$100相当は稼ぎたい。私達二名だけを連れて行くなら一人US$50だなという話になりました。参考にしていたガイドブックでは一人US$10くらいと書かれてあったので、思っていた金額の5倍。それは無理だなぁ。
US$50なんて東京ディズニーランドの一日券より安いんだからいいじゃないかと、日本に住んでいると思うものです。しかし、金銭感覚というのはその国の物価にすぐに馴染んで左右されるものなので、当時の我々にとってはUS$50は2万円くらい。到底、承服できる金額じゃぁありませんでした。しかし、この小さな田舎町ではツアーエージェント主催のツアーなどは存在しておらず、どうやら旅行者と船長で直接ネゴシエーションする事になっているようでした。
ということで、宿の屋上の旅人がまったりするスペースで、他の旅行者をスカウトする事になりました。
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何人かに声をかけたら、早速やりてのイスラエル人女子二人組が反応してきました。彼女らは、他の宿にいるアメリカ人カップルと計4名で別の船長と一人US$14で話を進めている事が判明。やり手のイスラエル人女子、ヒラは、さっそく私たちが紹介された船長と一人US$12でネゴシエーションしたのですが金額が合わずに決裂。ということで、我々はヒラが話を進めている船長の方に参加する事になりました。
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ラム島に到着した時に見えた海の色が期待していた程ではなかったので、このツアーに期待を寄せていたのですが、結局船ででかけた先の海も驚くほどは美しくありませんでした。シュノーケリングギアは古びたもので、途中からマスクに水が入ってきてしまう代物。
魚はまぁまぁ見えたのですが道具が不愉快なので、もういいやと船に上がろうとしたらハシゴがない。えぇぇぇ?一体どうやって船に上がれっちゅうの?と他の外国人を見たら、お若い皆さんは船の縁に手をかけて腕力でエイッと船に上がっていく。無理だわ、40代のおばさんには到底無理。という事で、捕らえられた宇宙人みたいに黒人の兄さんに両手をひっぱってもらって船にあがったのでした。
そんな惨めな思いまでして、美しくもない海に入る気力を失った私は、最初から海に入る気がないビーガンのイスラエル人女子と二人で船に残って、まったりとおしゃべりを楽しむ事にしました。
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そんなわけで、シュノーケリング自体は散々でしたが、すれ違う漁船(これもダウ船でした)から買った新鮮なキングフィッシュを、スタッフが船の中でさばいて調理していく様を見たり、ぎっしりとローカル市民を積んんだ公共バスみたいな船とすれ違うのを見物したりして、帆船のツアーはそれなりに充実して楽しかったです。
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シュノーケリングで魚を見物しているより興味深かった。
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アメリカ人カップル、イスラエル人女子2人、イギリス人男性、我々
因みに、やり手のイスラエル人女子ヒラは、ビーガンの連れの女子が食べられる物がほとんど用意されていなかったと、彼女のツアー費用を半額にしろと交渉して成功してました。いやー、どこまでもやり手でしたね。
さてさて。
3泊4日滞在したラム島のレストランで食べたのがビリヤニ。インドのビリヤニと異なり、盛り付けは日本のカレーライスみたいにご飯とソースにぴっちり別れていました。海老のビリアニは海老のとクローブ(丁子)と玉葱炒めでクローブ風味が強烈でした。
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ラム島ではピラウももう一回食べていますね。炊き込みご飯の上に、炊き込んだお肉とジャガイモが乗っかってて、別皿にカレーみたいな汁がついてくるのはいずこも同じパターンです。170円くらいでお腹いっぱいになる有難いメニュー。
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右上:レストラン内の様子
次回は、ラム島からマタツという公共バスに乗って移動したワタムの思い出を書きます。もちろんワタムでもピラウ、食べてます。