歌声に寄り添い、救われる、意地っ張りの小さな夜。
迷いっぱなしの人生です。
思えば友だちも恋人も、仕事も結婚も、今日食べるものも着るものも、右に行くか左に行くか、自分なりに選んできた結果が、今のわたしです。
意地を張って失敗ばかり。記事にしたいけどできないようなネタだらけ。
年齢を重ねると、迷いなんかなくなると思っていました。
そんなことは全然ない。
お別れや諦めも多くなり、自分への誤魔化しも上手になって、人生、このままでいいのかな、なんてぽかーんと考えることも多くなり。
そんなとき、ある曲の歌詞がふっと心に染み込みました。
こんな出だしで始まる、イーグルスの『デスペラード』。
歌詞全体は、おおよそこんな意味合いでしょうか。
『デスペラード』の歌詞を、わたしなりに大胆意訳で短く短くまとめてみました。
作詞したドン・ヘンリーは、友人のために『デスペラード』を書きました。
愛や人とのつながりを見つけ出してほしいと促すメッセージが込められています。
わたしにも、こんなことを言ってくれる誰かがいたらいいだろな。
こんなことを言ってあげたい誰かの顔も浮かびます。
忙しいときは闇雲に頑張って、わけもなく疲弊してしまう。
ともすれば、もやもやっとした寂しさに襲われてしまう。
そんな夜に『デスペラード』を聴くと、
切なさにチクチクして、やがてじんわり温まってきます。
古びてカチカチになった心が、メロディと共にゆっくりほぐれていくのがわかります。
最近、noteに音楽記事を掲載したおかげで、いろんなnoterさんのコメント欄で音楽談義に花を咲かせることができました。
誰かと好きな本や映画や音楽のことを語り合うと、新しいことに気づかされます。些細なことでも、違った感動がやってきます。
『デスペラード』も、そんなやりとりの中でごくごく自然に出てきました。
70年代の懐かしい曲。知ったのはもっと後だったけど、もう長いあいだ聴いていなかった曲が、いま再びわたしの中に甦りました。
音楽は本と違って、1曲聴くのはほんの数分。それで世界観が味わえます。
こんな短い時間に想いが伝わるのって、すごくステキ。
『デスペラード』がヒットしたきっかけは、リンダ・ロンシュタットでした。1973年のことです。
稀代の歌姫・リンダがカヴァーして特大ヒットを出した後、本家本元イーグルスとしての『デスペラード』は後追いのようなカタチで広まりました。
その後、この名曲は多くのミュージシャンに次々とカヴァーされていきます。
せっかくですから、最後は超豪華ミュージシャンによる『デスペラード』のカヴァーを紹介したいと思います。
特別お気に入りのカヴァーだけのピックアップです。
Desperado デスペラード 聴き比べ
●カヴァー リンダ・ロンシュタット Linda Ronstadt
歌姫リンダの柔らかで情感たっぷりのボーカルは、ときおり力強さも加わって圧倒的です。バック演奏はまさかのイーグルス。この歴史的瞬間の共演をお見逃しなく。YouTubeのコメントには「彼女がイーグルスを作った」と感動と絶賛の声も多数あり。
●カヴァー カーペンターズ Carpenters
まさにカーペンターズっぽいアレンジが楽しめる『デスペラード』は、1983年、カレンの死後に発表されました。
カレンの染み入る歌声に、体が波打つように震えます。歌声に涙する、わたしにとって数少ないボーカリストのひとりです。
●カヴァー ダイアナ・クラール Diana krall
ジャズアレンジの『デスペラード』をダイアナ・クラールで。とびきりカッコいいクラールの乾いたスモーキーなボーカルに、近年ずっと注目しています。オリジナルとは違う世界観。もっとスローでメランコリック。惚れまくりのひとときです。
楽しんでいただけたでしょうか。
お気に入りのボーカリストの『デスペラード』をBGMに、記事をお読みくだされば、最高に最高に!嬉しいです。
欄外に『デスペラード』のオリジナル歌詞を貼り付けました。
ではまた次回、お会いしましょう。
●和訳歌詞については、公式サイトが見つからなかったため、著作権の関係上、noteの記事には掲載していません。
ですが「デスペラード 和訳歌詞」で検索すれば公式外のサイトにはすぐ行き着きます。そちらで和訳をご覧ください。
今回の記事は、本当は「 “ネタ系音楽事典”で遊ぶ。〜辞書コラム 番外編」をお届けするつもりでした。
ですがどうしても『デスペラード』の感動をお伝えしたくなり、先に投稿してしまいました。
“ネタ系音楽事典”「番外編」については、次回以降に投稿しようと思います。