家族の反対との向き合い方
おばあちゃんが書いた地元横浜の絵。これを棺の中に入れました。今日は、おばあちゃんのお葬式でした。
小さい頃に大阪から横浜に引っ越してから10年以上一緒に住んでいました。引っ越したばかりで、いじめられていた時に、よく1階に住むおじいちゃんと一緒に、ひょうたんを作ったり、版画をしたり、ものづくりをして遊んでいました。
「友達」のことにも触れず、そこにニコニコしながら、お菓子をいつも運んでくれた優しいおばあちゃん。あの時、心地よい居場所を作ってくれたことに感謝しています。 そこから塾に通い出したり、友達ができたりして、あんまり顔を出さなくなりました。
いつの間にか私はお笑い芸人を志し、そこで家族や親戚に反対され、私はちゃんと家族に向き合わないまま、勝手に家を飛び出し、半ば勘当状態。 大学2年生の時に日本テレビのお笑いの大会で優勝してから、年末年始も、営業や寄席、テレビなどに出たりして、年始の親戚の会にも顔を出さなくなりました。帰ろうと思えば帰れた年もあったと思うのですが、私も意固地になり、実家には戻りませんでした。
いつの間にか、認知症になってしまい私のことが分からなくなってしまい、コロナになり海外に行ったりしてますます疎遠になり、「もう危ないかもしれない」という連絡を受けて久々に最近会いに行きました。その時はもう私が知っているおばあちゃんの姿ではなくて、しんどそうで面会も申し訳なくなり、気まずくて気の利いたことも言えず。次の日亡くなってしまいました。
戦争のことを祖父母に聞くという夏休みの宿題が小学校3年生の時に出たことがあります。おばあちゃんは思い出したくないといい、おじいちゃんに話を聞きました。 今、私は戦争経験者の方に話を聞くということをジャーナリストとしてしています。行った先々で、孫のようにみなさん可愛がってくださります。「昔は思い出したくないから話さなかった」という方が多いです。でも、若い世代から話してほしいと言われたり、戦争を二度と繰り返さないために次世代に伝えたいという思いにかりたてられ話すようになったと話してくださりました。「あなたのような方がいて心強い」と本当に応援してくださる方もたくさんいます。
私は今30歳です。芸人としてテレビに出始めたのは19歳だったけど、それから随分と時がたった。戦争について話したくないと言われたのは9歳の時だった。あれから、なぜ何も対話しなかったのか。おばあちゃんに今の活動を相談にのってもらえたかもしれないし、博識のおばあちゃんにアドバイスをもらいたかった。
家族からの反対をなにくそ!とおもいバネに頑張っていたことが20代前半の時はありました。 でも、今もしあの時に戻れるなら違う方法をとります。少なくとも、私が目指しているビジョンを話したと思います。だから応援してほしいとお願いしたと思います。すぐには理解してもらえなかったかもしれないけど、数年後には応援してもらえていたかもしれない。当時から私はお笑いを通して社会問題を発信したいとメディアでは語っていました。私の記憶では、おばあちゃんの前では一度もそれを言ったことがないです。
何より私の活動をどのぐらい知っていたのか、どのぐらい応援してくれていて、反対していたのか。私は知らないんです。 後悔しています。
これから芸能を志す方や社会起業家を目指される方。不安定な世界だし、理解されにくいし、反対されやすいと思います。最初は反対されるかもしれないし、家族と自分は別人格だから、家族が反対しても自分がやりたければやればいいと思います。でも、亡くなってからではおそいし、数年に1度でも頑張って話す勇気をもつだけで私は変わったと思います。ただでさえ、孤独を感じやすい仕事。心が折れた時に、身近な人の応援やたった一言は自分の原動力によりなったのではないかと思います。反対をバネにするよりも、仲間を増やしていけばよかった。反対は心配してのことだっただろうし、安心する姿をもっともっと見せたかった。
20代のときは、敵を勝手につくりすぎて傷だらけになっていたのではないかと今、後悔しています。勝手に消耗していった。社会をよくしたいとか大きな主語で語るのに、身近な人を大切にしきれなかったという悔いがとても残ります。 だからこれから活動する人には、悔いはしてほしくないです。自分が幸せでないと周りを幸せにする余裕がない仕事だと思います。
恥ずかしいことを、おばあちゃんの許可もなく載せるべきではないのかもしれませんが、若い時って、反対を美徳としてしまいがちだなとおもい、後悔している人もいると知ってもらいたいなと思いました。
おばあちゃんにとって、自慢の孫になれるようにしっかりと頑張りたいと思います。これからも優しく見守ってくれると思います。おばあちゃん、ありがとう!頑張るよ
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