芸能界でのセクハラ・パワハラについて私が見たこと、反省していること
殺されると怯えながらの告発
「私は明日殺されるかもしれない。」
そう涙ながらに、マリエさんが18歳の時に、芸能界の大御所、紳助さんから性的行為を強要されたと話した。
胸が苦しくなった。
この世界にいると、そういう話をよく聞くからだ。
「#マリエさんに連帯します」というハッシュタグができていた。
真相を知っている訳じゃないし、わざわざ発信しなくてもいいか。
見てみぬふりをするのか。
この告発の重みを知っている。同じ業界にいるから。
そして、こういう問題を知っているのに何もしてこなかった贖罪もこめて、ツイートした。
もうテレビに出なくなってもいい。うん。
今現役で出ている人は発言しにくいだろうし、
だったら、自分みたいなテレビを知っていて、だけど今はテレビにでなくてもいいと割り切っている人が発信するしかないじゃん。
そう思った。
ツイートしたら、すぐに毎日新聞から電話がかかってきて、迷ったが取材を受けた。
芸能界の古さに驚いていた。
だから、記事を書くことにした。
私が胸が苦しくなったもう1つの理由。
それは、私が今まで何もしなかったことだ。
共犯者なんじゃないかと。
マリエさんのインスタライブの概要
マリエさんの動画を見るとこのようにお話されていました。
・紳助さんの楽屋に挨拶をしなかった
・それで日時を指定され、その場所にいくと性的行為を強要された
・後輩芸人である出川哲朗さんややるせなすさんたちもその場にいて、
した方がいいといった
・マリエさんが事務所に紳助さんと仕事をしたくないと相談
・この業界から干されると言われたが
「それでいい。好きじゃない人とセックスしたくない」と断る
・マネージャーと紳助さんと仲のいい制作会社に謝罪しにいった
・当時たすけてくれたのは、いいともメンバー。
タモリさん爆笑問題さん。
・ヘキサゴンメンバーほかはどうかわからない。
・出川さん、やるせなすさんがでる番組やCMもみたくない。
日本のバラエティがだから嫌い。
・「体を売れば自分の夢が叶うかもしれない」という瞬間は沢山あるかもしれない。今でも枕営業を強要されて仕方なく応じている子がいると思うから救いたい。
自分がその場にいたら、何ができたか
マリエさんの主張が正しかったとすると恐ろしい。ここで話していた後輩芸人の人たちが今、ネットで批判されている。
本当だとしたら、庇う余地がない。しかし、自分がその後輩芸人だった、どうした?その場にいたらどうした?
マリエさんを救うことができたのか?
多分、情けないけど、できなかったと思う。
だからといって、その場にいた人たちが許されるべきではない。
だけど、私も多分、何もできなかった。
声をあげられなかった過去
今まで見てきたセクハラの現場に声をあげきれなかった。
高校生のときに出番前、舞台袖で、お尻をずっとさわられ続けたことがある。怖かったから顔をみれなかった。ライブの楽屋で、女芸人の先輩が胸をガッツリ揉まれていたのを見たことがある。何も言えなかった。大学生の時に、打ち上げのカラオケで、同期の女の子が胸をもまれていて、「たかまつは、小さいから嫌なんだよー」と言われ、何もできなかった。
おかしい時に声をあげきれなかった。
女芸人の先輩が、後輩の男芸人に性的強要を迫ったという話だって聞いたことがある。それだけじゃなくて、テレビ局のえらい人や芸能事務所のえらい人、番組の大御所司会者など。
知り合いが、枕営業にまきこまれているのではないかと噂できいたときも、何もしなかった。目の前でパワハラがされていても、苦笑いして、むしろ加担したこともある。
だから、私に皆さんを批判する資格なんてないとおもう。
そういう風になりそうな現場をいち早く察知して、自分の身を守る。見てみぬふりをする。そんな能力だけ高くなっていった。
「処女芸人」「脇毛、すね毛をそらない」。事実だった。
それを私はおもしろおかしく話すことで、自己防衛にも使った。
「私はそういうことしない女ですよ」「私は遊びにくいですよ」「色気ないですよ」と。
今となっては、それが面白いとは思わないけど、自己防衛の手段の1つだったのは覚えている。
人脈を広げないといけない、顔を覚えてもらわないといけない。だから飲み会とかも大事だから、そのバランスが本当に難しかった。
私の友達が女優になりたいといい、相談された時、私はその子のことが心配で、芸能界のそういう嫌なところを話して、その子を泣かせてしまったことがある。
あとで嫌な思いをするよりいいだろうと思ったけど、一緒にかえていくために、何かできることなかったのかなぁと今では反省している。
私は気が強いし、言うべきことにものを言えるタイプの人間だ。でも、目の当たりにしたときに無力だったことの方が多い。
変えなきゃ
だから、せめてこの告発がなかったことにされないよう、このぐらいしかできないことが悔しいですが、つづりました。変えなきゃ。
マリエさんの事務所が正しいかどうかさえ判断がつかないぐらい私はバグっている。無理矢理、強要するマネージャーじゃなくてよかったというのが最初聞いた時の印象だ。最悪の事態にならなくてよかったなと。
でも、私がそういうことを先輩に相談したときに
「わたしも実はそういうノリ嫌いだよ」といってくれたり、
「そういう悪い世界だけじゃないから」と親身になってくれた人もいた。
また自分がキャスティングをする立場になり、タレントを守る事務所は、「飲み会の席には絶対タレントをいかさない」と徹底するところもあることを知った。
お笑い以外はどこの事務所がどうかというのは、あまり知らないけど、業界全体がかわっていくといいなと思う。この数年急激に芸能界やテレビは変わっているから、変わっているのかもしれない。私が言っているのは、5~10年ぐらい前の世界だ。
悲しいことに、こういうことは、たくさんあったはずだから、今、芸能界で戦々恐々としている人たくさんいると思う。私みたいに見てみぬふりをした人、権力者を怒らせないために、積極的に加担した人、いろんな共犯者がたくさんいる。
ここで、戦っている先輩の名前をだすと迷惑になりそうだから出さないけど、そういうのが嫌でかえようとしている人もいる。
どの世界もそうだと思うけど、「変えよう」としてきた人に敬意をしめしつつも、現状に嘆くだけでなく、どうやったら変わっていくか、そのためにできることをやりたい。
まずは、声を無視しないこと。
忖度しない。
言うべきこと、言いたいことを言う。
それが言えるために、私は自分でメディアをもつ。
特定の団体だと忖度がうまれやすいので、
一人一人の個人サポートによって活動していくことを決めました。
SDGs体験型オンラインサロン 「大人の社会科見学」
https://community.camp-fire.jp/projects/view/364646
タブーにちゃんと切り込みたい。
メディアで取り上げにくいことも、みんなで考えて個人が発信する。
自分の業界のことなら皆声をあげられなくても、他業界なら声をあげられる。
そんな社会を変える仲間を作る。
世の中の3%が変われば、社会は変わる。
私の好きな言葉だ。
私はマスメディアを志半ばで諦めたけど
(芸人としても中途半端、NHKのディレクターも中途半端)
今はそうやっていきていこうかなと思います。
YouTube「たかまつななチャンネル」
https://www.youtube.com/user/takamatsuch
まだまだ、心も取材力も発信力も道半ばですが
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安心して声をあげれる社会をみんなで作りたい。
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