センダックの絵本
今日はモーリス・センダックの誕生日だということを、鎌倉市図書館のツイートで知りました。
私が最初に買ったセンダックの絵本は4冊組みの豆本でした。
今から30年ほど前に日本橋丸善で。
あの頃はまだ、洋書を買うなら丸善でしたし、絵本の原書を手に入れる機会は少なかったと思います。
この頃はまだ、センダックが何者かも知らなかったのですが、何だか可愛いし、何処かで見たような絵だし、と思って買いました。
さて、センダックの作品で最も有名なのはおそらく『かいじゅうたちのいるところ』(神宮輝夫訳 富山房 1975年)でしょう。
2010年には実写映画化もされましたから、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
原題は『Where the Wild Things Are』といい、1966年に別の題名で邦訳されたそうですが、新訳が出てヒットしました。
この絵本が描かれた当初は「教育的で無い」ということで批判されたらしいですが、まさにそれが魅力です。
マックスは恐ろしげなかいじゅうたちを従えて散々遊んだ挙句、急にお家が恋しくなって無事帰ってくる、そんなお話です。
「丁度良い時」に読んだ子どもたちは、きっとこの絵本の中で自由に遊び、挙句自分のベッドに戻ってきてホッとするのでしょう。
我が家の次女が夢中になったのは、これより後に描かれた『まよなかのだいどころ』です。
家庭教育学級に通っていた時に、他のお母さんに紹介されて読みました。
その紹介の弁にもありましたが、この絵本、なぜそこまで夢中になるのか、平凡な大人にはわからないのです。
家の地下にあるらしい真夜中の台所では、奇妙なおじさんたちがケーキを作っています。ミッキーは危うくミルクの代わりに練り込まれてオーブンに入れられそうになるけれど、小麦粉を練って飛行機を作って逃げ出す…
こんな話です。
「丁度良い時(確か4才くらい)」にこの本に出会った次女は、ずっと忘れていたのに高校生の時突然思い出し、あの本何だっけ?と聞いてきました。
手元には原書しか無かったのだけれど、夢中でページをめくり、「私、まだこの本の中に入れる!」と興奮していました。
たった一冊でもこんな本に巡り会えた彼女は幸せ者だし、そのキッカケを作れて良かったな、と思いました。
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