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マイクロ法人化はちょっと違うな

 最近の勉強テーマのひとつが「マイクロ法人」です。どうやら法人化すると節税効果が得られそうです。黄金の羽はマイクロ法人になると拾いやすくなるのかもと思っていました。


 結論から述べます。脈ナシ。法人化はしばらく考えません。


動機

 法人税は23.2%です。いまの給料を全部法人付けにしちゃえば、税金減らせるのでは?というのが出発点でした。
 しかも法人なら、運営に必要なお金が経費として計算できます。それによって課税所得額も減らせるので、ちょっと考えていました。 

 本業収入はむずかしくても、外勤の収入を法人につけられたら多少は得が出るかもなどと期待していましたが。。


今の仕事の収入を法人につけかえられない…

 医療行為で得る収入は医療法人しか受け取れません。医療法人の立ち上げには自治体の許可が必要です。自宅を医療法人にしようかと思いましたが、形だけでも受付を作ったり診察室を確保しないといけません。大変。。

 中には、給与の名目を診療の対価ではなくて、コンサルト料としてもらう方法もあるそうです。かなりグレーにみえます。や、ダメじゃないかなー。得られるかもしれない節税効果とリスクが完全に見合いません。

 さらに、法人から私個人にお金を支払う場合、給与になるので税金も発生します。加えて社会保険料も支払う必要があるようです。この辺は複雑ですが、どうやら法人の収入額もかなり大きくならないと、税金面での得はなさそうです。


となると残された道は個人事業か

 私が本の売り上げや講演で得る収入は、税法上、所得のうちの雑所得と呼ばれます。雑所得を得るための経費は差し引くことができますが、雑所得では損益通算はできません。つまり、本の売り上げよりも経費が大きくなり、トータルで赤字になったとしても、雑所得がゼロ円になるだけで、損失はそのままです。

 一方で個人事業として認められると、その収入は事業所得に変わります。もちろん事業収入から経費を差し引けるのですが、雑所得との最大の違いは損益通算できるということです。

 例えば本業での給与収入が1,000万円とします。事業収入が300万円で、経費が400万円かかったとします。この場合、事業所得は-100万円です。雑所得の場合は、確定申告の際に雑所得がゼロ円になって、それで終了です。しかし、事業所得は損益通算できるので、本業の給与収入と相殺できます。これによって、給与所得を900万円に下げることが可能です。所得が下がれば所得税が下がりますから、節税効果が期待できそうです。


 ただ、問題点はいくつかあります。

 ひとつは、事業収入と認められるための金額です。私は本の売り上げを事業収入にして、ふだん書籍代やパソコンのお金を経費として算定しようと考えていました。しかし、事業収入と認められるには年間数百万円程度の継続的な収入が必要です。やっと3万円を超えたくらいの収入では全然届きませんね。

 もうひとつは経費の問題。あくまでも事業のための経費なので、日常生活の支出を事業の経費に算入することはできません。当然、経費にできる項目は事業の内容によって限られますので、計算には注意が必要です。

 仮に事業収入と認められるようになると、収入は数百万円規模です。この金額を超えるような経費の計上は今のところ思いつきません。


あれ?これは無理かな?

 そうか、もしや、法人の立ち上げはおろか、個人事業主になってもあんまり得はないのかも??


 ということで、法人化を考える話はこれで終わりにします。結局今までと同じ。とはいえ検討した結果なので、現時点では納得です。何も考えなかったよりは、きっと良いことがあったはずです。

 本や講演のお金がバンバン入ってくるようになったら、事業や法人を考えようと思いました。でも本業があるから、別にお金がバンバン入ってくる必要はないんですよね。本当に私は煮え切らないですね。

 今まで通り雑所得が少し入ってきて、そこから経費として本を買ったりするのは気楽で、何より楽しいと思っています。現状に満足してしまっているから、煮え切らないのかもしれません。


読んで頂きありがとうございました。

髙草木

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