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第1章 医局に入る人は80%近く 『中堅放射線治療医が見てきた医局と資格 (仮)』の草案

過去の内容はこちらのマガジンに保管しています。


今日は第1章の続き。医局に入る人はどれくらいいるのでしょうか。

本文はここから。


 では、この医局に対して、研修医の先生たちはどう考えているのでしょうか?

(ここまで続き)

 まずは次の図を見てください。

 こちらは、厚生労働省が実施した、令和3年度の研修医アンケートの結果から抜粋しました。全国の研修医に対するアンケートで、初期臨床研修医が修了するタイミングで実施されます。
 このアンケートの回収数は7,248です。回収率は示されていませんが、毎年9,000人程度が新たに研修医になりますから、80%程度は回収できていることが推測されます。信憑性の高いデータです。

 アンケート結果を確認しましょう。研修医全体では、卒業大学の医局に入局する研修医が44.6%、卒業した大学以外への入局は32.2%です。よって初期臨床研修医のうち76.8%が、大学への入局を考えています
 反対に、入局する予定はないと答えた研修医は12.0%にとどまります。
 属性別では、初期臨床研修を大学病院で行った医師のほうが、入局する傾向が高いようです。大学病院の研修医は、87.7%も大学入局を決めています。一方で臨床研修病院、いわゆる市中病院では、大学入局者は70.3%を占めます。

 昨今、医局の求心力が低下していると耳にすることがあります。
 それでも研修医全体で80%近い医師が医局への入局を決めているんですね。大学病院での研修医が大学に残る傾向が強いのは想像できますが、市中病院でも70%もの研修医が入局を考えています。

 私は、想像していたよりも入局する研修医は意外と多いなと感じました。入局を決める理由はいくつかあるのでしょう。このアンケートでは、入局する理由について明らかにはされていません。

 ここから先は、さらに完全に私見を交えて私がこれまで見てきた医局の、メリットとデメリットについて考えていきます。おそらく、その中に今の若い先生たちが入局を決める理由が隠されているかもしれません。

 その前に、注意点がひとつあります。それは、医局が違えば、文化が全く異なる可能性があることです。入局するまでは、医局ってよくわからないなと思っていたように、医局の実情は外から窺い知るのは困難です。
 ですから、あくまでも私が見てきた、私の所属する医局での話が中心になります。他の医局は外国のようなもので、ルールが全く違うことは十分あり得ると考えていますので、一般化できない話だとご理解のうえ、ご覧ください。


(900字)


また短いですね。
でも順調に進んでいるので良しとしましょう。

次は医局のメリットについて私見を述べていきますよ。
ここまで医局とは、を述べてきたので次回から節を変えようかなと思います。

読んでいただきありがとうございました。

髙草木



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