第2章 専門医とは 『中堅放射線治療医が見てきた医局と資格 (仮)』の草案
過去の内容はこちらのマガジンに保管しています。
今日から第2章です。
専門医や学位について考えていきます。
本文はここから。
医局は、医師としてのキャリア形成に一定の役割がありそうです。ここからは、医師が取得する可能性がある専門医と学位の2つの資格について考えてみましょう。1章では学位、医学博士ともに表記していましたが、本章では単に学位と表記します。ここで言う学位とは、医学博士のことです。
前半は専門医について、後半は学位について述べていきます。まずは専門医について考えてみましょう。
専門医とは
専門医とは何でしょうか?
現在、専門医制度は日本専門医機構によって定められています。内科でも外科でも、私のような放射線科でも、どの診療科の専門医も日本専門医機構が定めた条件を満たす必要があります。私たちは、この日本専門医機構を単に「機構」と呼ぶことが多いので、ここからは機構と呼びます。
機構が定める専門医とは、「診療科において標準的で適切な診断・治療を提供できる医師のこと」だと定義されています。標準的治療は、「科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の診断・治療」を意味しています。
専門医制度は基本領域とサブスペシャリティ領域で構成されます。内科、外科などの広い括りが基本領域で、その上に循環器内科や消化器外科といった、より専門性の高いサブスペサリティ領域があるという、いわば二階建ての構造です。
基本領域の専門医取得には、大学を卒業後5年間の研修が必要です。本書では詳細な取得方法は述べませんが、通常、初期臨床研修医2年間に加えて、専攻医として3年間の専門研修を受けます。その上で所定の条件を満たし、専門医認定試験に合格すると基本領域の専門医を取得できます。サブスペシャリティ領域の専門医を取得するためには、さらに2年間の研修と認定試験の合格が必要ですから、医師になってから合計で7年間かかります。
私は、機構発足前のいわゆる旧制度で専門医を取得しています。しかし専門医の基本的な取得方法は現在と大きく変わらりません。初期臨床研修医を含めて合計5年間の研修ののち、基本領域である放射線科の専門医を取得ました。さらに2年間研修を続け、サブスペシャリティ領域として放射線治療専門医を取得しました。
5年や7年の経験で専門医を名乗れることについては、みなさんはどう思われますか?短すぎるでしょうか、それとも時間がかかりすぎるでしょうか。
おそらく立場によって印象は変わりそうです。例えば患者側から考えたら経験は豊富なほうが良さそうなので、5年や7年での専門医は少し不安かもしれません。反対に研修医から考えると、専門医取得に7年間「も」かかると思うかもしれません。
おそらく、専門医の位置付けは、専門医を名乗るに足る最低限の知識や経験、技術を備えている、という証明だろうと個人的には考えています。当然ですが、5年や7年くらいで、その領域のすべてのことがわかるわけではありません。専門医を取得したあとも、日々の研鑽は不可欠です。医学は日々進歩していますから、どうしても学び続ける必要があります。
また、専門医は5年ごとの更新を要します。症例を経験したり、学会に参加して更新に必要な単位を集めなければいけません。
実は、この単位集めが結構大変なんですよね。1年でまとめて取得はできないので、毎年少しずつ単位を集めなければいけません。私は2026年に機構認定制度下で初めて専門医を更新しますが、毎年学会に参加しては、せっせと単位を集めています。この更新制度によって、専門医の質を担保する狙いがあるのでしょうね。
ここまで専門医の概要を確認してきました。では、今の研修医の先生たちは、専門医についてどう考えているのでしょうか?
(1500字)
累計文字数
はじめに 800
医局と臨床、研究 1600
医局と教育 1200
医局と人事 2400
医局の構成員 800
医局に入る研修医の割合 700
医局のメリット 1800
医局のデメリット、人事 900
医局のデメリット、人間関係など 1300
医局じゃなければ 1500
医局と私 1900
医局のまとめ 200 (医局関連で14300字)
専門医とは 1500
合計 16600
専門医とは、は必要だとは思いますが、あんまり書いてて面白くないなーと思ってしまいました笑
次回は、以前紹介したアンケートから、研修医の専門医に対する志向性をみていこうと思います。
読んでいただきありがとうございました。
髙草木