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第3章 放射線治療医に向いている人 『中堅放射線治療医が見てきた医局と資格 (仮)』の草案
過去の内容はこちらのマガジンに保管しています。
本日は放射線治療医に向いている人とは?を考えます。
本文はここから。
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放射線治療医に向いている人の条件を、積極的な面と消極的な面から考えてみましょう。
積極的な面としては、がんの治療や研究に興味があること、人と接することが好きであること、機械が好きであること、物理が好きであることが挙げられるでしょう。
既に述べてきたように、がんの診療において放射線治療が関与する場面は多岐にわたります。ほとんど全てのがんが放射線治療の対象となりますし、病気を治すことを目的とした根治的な治療から、症状の改善を目指す緩和的な治療まで、放射線治療医は幅広く関わります。研究分野でも臨床研究はもちろん、生物分野や物理分野に広く及びます。ですから、がんの治療や研究に興味がある方にとって、放射線治療分野はよい進路になりそうです。
そして、放射線治療医はがん患者の診療に直接携わります。といっても放射線治療医が実際に放射線を照射するわけではありません。治療医はそれぞれの患者さんに適切な治療方針を考えて、治療の指示を出します。実際の照射は放射線技師が担当しますし、日々のケアは看護師が行います。治療医は放射線治療中は週1回程度の診察を行い、治療が終わった後は定期的に経過観察をします。ですから、放射線治療のチームが一丸となって、治療を提供します。そのため、人と接することが好きな方には向いているでしょう。
また、放射線治療では、治療機器や治療計画装置などの機械類が必須です。特に近年の放射線治療分野の発展は、こうした機械の技術の進歩による部分も少なくありません。新しい機械や技術が好きならば、放射線治療分野に身を置くとそれらを体感しやすいかもしれません。
また、物理が得意な人もおすすめです。放射線には放射線物理学という分野もありますし、医学物理士という資格もあります。私はもともと文系の人間なので物理はサッパリわかりません。それでも放射線治療医は一応務まるのでご安心を。でも物理がわかったほうが、放射線治療への理解は深まりそうです。
一方で消極的な面から考えてみます。それは放射線治療医の勤務形態からです。放射線治療は平日毎日の治療です。つまり土日祝日は治療がありませんから、業務もありません。また、勤務する病院にもよりますが、放射線治療科は独自の病床を持っていないことが多く、入院管理をしません
また、緊急度も高くないケースが多いのも特徴です。緊急照射もあります。代表例は骨の転移によって脊髄が圧迫されて麻痺が出ているケースです。しかし、ここで指す「緊急」とは24-48時間以内への照射であり、1分1秒を争うような状況ではありません。
こうした特徴から、放射線治療医は比較的オンオフの区別が明確で、ライフワークバランスを実現しやすいと考えられます。
私が放射線治療医を志したときに、消極的な面から考えるメリットも動機の一つであったことは内緒です。でも実際に放射線治療をやってみると、活躍の幅は広く、臨床も研究もできて、希少性があるために重宝される、しかしさほど激務ではない(勤務先によりますよ!)ので、過去の私の選択は間違いではなかったなぁと思っています。私はこの仕事を気に入っています。
そもそもですね、お医者さんは大変なところがありますが、面白い仕事だと思っています。ここからは医師免許そのものについて考えてみようと思います。
(1300字)
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累計文字数
はじめに 800
医局と臨床、研究 1600
医局と教育 1200
医局と人事 2400
医局の構成員 800
医局に入る研修医の割合 700
医局のメリット 1800
医局のデメリット、人事 900
医局のデメリット、人間関係など 1300
医局じゃなければ 1500
医局と私 1900
医局のまとめ 200 (医局関連で14300字)
専門医とは 1500
専門医を目指す研修医は90% 400
専門医のメリットとデメリット 1100
専門医をみんな持っている 1600
専門医のまとめ、学位へのつなぎ 400
学位とる研修医は30% 600
学位のメリット 1000
学位のデメリット 1400
学位と私 1400
論文の意義 2300 (専門医から論文までで11700字)
放射線治療医とは 700
放射線治療医のメリット① 1800
放射線治療医のメリットのつづき、デメリット 1000
放射線治療医のデメリット 1700
放射線治療の将来 1200
放射線治療医に向いている人 1300
合計 34500
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あとは医師免許についてです。
締めに入りますが、ここから先は非公開で笑。
コソコソ書いていきます。
そしてここまで書き溜めた文章をまとめて本の体裁を整えて、いよいよ出版準備ですね!
読んでいただきありがとうございました。
髙草木