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環境移送の使い方 vol.2 環境教育 〜プログラミング教育の次は、サンゴ礁教育?!〜
こんにちは。株式会社イノカ COOの竹内四季です。
「環境移送技術」の応用領域について解説する本記事シリーズ第2弾では、イノカが創業当初より力を入れている”環境教育”について取り上げます。
※ イノカの環境移送技術については、こちらの記事をご覧ください。
「海の生態系を目の前で見せることができる」というイノカの環境移送技術の強みを活かし、三井不動産とのコラボで創業2年目(2020年)に誕生した環境教育プログラム『サンゴ礁ラボ』。
2022年現在では、生き物や環境について楽しみながら学べるプログラム ”環境エデュテインメント(Education × Entertainment)”として進化を遂げ、「とらのもんサンゴ礁ラボ」「よこはまサンゴ礁ラボ」の2教室に加え、商業施設のイベントスペースでの休日限定イベント「出張サンゴ礁ラボ」や、企業のファミリーデーなど、多くのお引き合いをいただいております。
サンゴ礁ラボの収益の一部は、サンゴ礁保全のための研究に役立てられています。応援者のみなさま、いつも本当にありがとうございます!
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ちなみに筆者は、サンゴ礁ラボプログラム内では
「秘密研究機関イノカのしっきー研究員(右上・白衣)」という人気キャストとして、子ども達に教えたりもしています👨🔬
本記事では環境教育について徹底解説いたします。
例によって盛り沢山の内容となっているため、興味がある部分だけでも是非ご一読いただけますと幸いです!
本記事を読んでいただきたい方
・業界:不動産・教育関係・観光・社員教育に関心のある企業様 ほか
・部門:商業施設・ホテル・CSR部門・人事部門 ほか
・環境教育に関心のある全てのみなさま
なぜイノカが「環境教育」に着目したか
STEAM教育の要素を持つ「環境教育」とは?
2020年に日本国内でも脱炭素の世論に火がついてからというもの、気候変動や環境対応への関心は、日を追うごとに高まっています。
あらゆる社会システムに環境対応が急速に組み込まれており、これからの時代を生き抜く上では、いわゆる「エシカル」な生活者としてだけでなく、
サステナビリティや自然科学に関するリテラシーが一気に重要性を増していくことになるでしょう。
だからこそ、イノカの環境教育プログラムには、環境問題に関する知識はもちろん、正解がない課題にチャレンジできる人材を育てるための「不思議を見つける」「仮説を立てる」「検証する」「発表する」「面白い!を見つける」といった サイエンス教育の要素がふんだんに盛り込まれています。
近年注目されている STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)とも密接に関わっていると言えます。
■ 環境教育
現在、温暖化や自然破壊など地球環境の悪化が深刻化し、環境問題への対応が人類の生存と繁栄にとって緊急かつ重要な課題となっています。豊かな自然環境を守り、私たちの子孫に引き継いでいくためには、エネルギーの効率的な利用など環境への負荷が少なく持続可能な社会を構築することが大切です。そのためには、国民が様々な機会を通じて環境問題について学習し、自主的・積極的に環境保全活動に取り組んでいくことが重要であり、特に、21世紀を担う子どもたちへの環境教育は極めて重要な意義を有しています。
環境教育は今後普及していくのか?
「環境教育が今後どのように普及していくか」という点について、イノカの見解を述べておきます。
現在、環境教育の普及レベルは黎明期であり、市場としては現在はごく小規模と言って差し支えないと思います。しかし一方で、社会的な要請を考慮すれば、今後の10年間で一気に普及していくことが予見されます。
ここでイノカが参考にしているのが、プログラミング教育の普及プロセスです。プログラミング教育市場という切り口から見たデータがこちらです。
2010年以前の子ども向けプログラミング教育市場は、一部の企業が期間限定で開催する「プログラミング教室」のイベントが中心の小規模な市場でした。しかし、2013年に、政府の成長戦略にプログラミング教育等のIT教育を義務教育段階から推進することが盛り込まれて以降、プログラミング教室のニーズが徐々に高まっていきました。
さらに、2017年に2020年度からの小学校でのプログラミング教育必修化が決まると、フランチャイズや大手学習塾が相次いでプログラミング教育市場に参入しはじめました。こうした市場の拡大を受け、今後のプログラミング教育は、”子どもの習い事”という認識で一般化していくと推察されます。
こうした子ども向けプログラミング教育の変遷は、市場規模の推移にも顕著に表れており、2013年に6億6,200万円だった市場規模は、その5年後の2018年には、約13倍となる推計90億7,100万円に拡大すると考えられます。この急激な市場拡大の背景は、先に述べた2020年からはじまる小学校でのプログラミング教育必修化の影響があると言えます。さらに5年後の2023年には、2013年の約34倍となる226億4,000万円に上ると予測しています。
※ 尚、2021年に新たに公表された予測によると2025年には400億市場に成長するとされる
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上記は市場規模の変遷という切り口ですが、これは"プログラミング教育の普及プロセス"と読み換えることができます。
2010年代を振り返ると、ひとつの切り口として、AIやブロックチェーンが一気に注目を浴びた”ITテクノロジーの時代”だったと言えるでしょう。
”あらゆる社会システムにITテクノロジーの導入が急速に進んでいった時代”に、プログラミング教育が広がっていったのは必然だったと言えます。
では2020年代はどうかというと、”サステナビリティの時代”が到来しているわけです。前段でも述べた通り、それは”あらゆる社会システムに環境対応が急速に組み込まれていく時代”です。
こうした社会的文脈の類似性からも、環境教育は今後、プログラミング教育に匹敵するスピードで普及していくと期待されます。
『サンゴ礁ラボ』について
イノカの環境移送技術によって実現したのが、生き物や環境について楽しみながら学べるプログラム ”環境エデュテインメント(Education × Entertainment)”『サンゴ礁ラボ』です。立ち上げから2年間で、2000名以上の子どもたちが参加してくれました!
「環境移送によりサンゴ礁生態系を目の前で見せる」ことをコアな提供価値と位置付けることによって、独自性の高い環境教育プログラムとしてコンテンツを磨いてきました。
自然環境を移送できるからこそ、イノカは環境教育のトップランナーとしてのブランド確立を目指しています。
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サンゴ礁ラボ ラインナップ
サンゴ礁ラボのプログラムには、大きく分けて下記5つのラインナップがあります。
<① 教室型プログラム 「とらのもんサンゴ礁ラボ」 「よこはまサンゴ礁ラボ」>
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イノカ虎ノ門本社オフィス、三井アウトレットパーク横浜ベイサイドの2拠点にて、主に小学生向けに全4回(4ヶ月)プログラムを実施しています。
詳しくは下記の特設HPをご覧ください。
<② 出張型イベント 「出張サンゴ礁ラボ」>
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ショッピングモールのイベントスペースなどに出張用の小型サンゴ礁水槽を設置し、期間限定でイベントを実施しています。
他では体験できない「生きたサンゴに触れる」プログラムとして、ご好評いただいております。開催目的に応じて、カスタマイズも可能です。
■ 出張サンゴ礁ラボ 過去開催実績
・TauT阪急洛西口さま
・東京ソラマチさま
・イーアスつくばさま
・MONA新浦安さま
・玉川高島屋SCさま
ほか年内に複数施設で開催予定
※ 開催希望の事業者さま向けに、下記リンクから資料をダウンロード可能です。
<③ 企業内イベント(ファミリーデーなど)>
企業がお持ちのオフィススペース等を活用して、社員のファミリー向けイベント等も実施しております。本年も複数社からご依頼いただいております。
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<④ 社会人向けサンゴ礁ラボ>
生物多様性や自然資本への理解は、ビジネスシーンにおいても欠かせなくなってきつつあります。👉 前回の記事参照
イノカ虎ノ門オフィスや、サンゴ礁水槽を設置していただいているクライアント企業様のオフィス空間にて、社会人向けにもサンゴ礁ラボを開催しており、ESG対応、オープンイノベーション等の教育的観点でご好評いただいております。
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<⑤ コラボ企画>
今後より多くの人に学びを届けられるよう、さまざまなパートナーシップや、コラボレーションを企画してまいります。
2022年夏にも大型のコラボを企画中ですので、ご期待ください!!
サンゴは環境教育の題材としてオンリーワン
サンゴは、
① 生物多様性(生態系)
② 地球環境問題
③ 人と自然の共生
という3つの側面において、地球上で有数のシンボリックな存在です。
そのため「環境を学ぶなら、まずサンゴから!」と自信を持って言えるほど、優れた環境教育の題材なのです。
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環境教育を通じてイノカが実現したいビジョン
イノカのビジョンは「人と自然の共生する世界」です。実現するためには、人々が自然の価値を理解し、自然へのリスペクトを持つ必要があります。
環境教育はその手段にほかなりません。
『サンゴ礁ラボ』のイベントでは、「秘密研究機関イノカの見習い研究員となり、地球を救うためのミッションに挑戦する」という世界観を徹底しています。これは従来の環境教育とは一線を画した ”環境エデュテインメント” としてこだわっている要素のひとつです。
環境というテーマは、お勉強感の強い印象や、少しとっつきにくいイメージがつきものだと思います。だからこそ、多くの人に愛され、広まっていくよう、イノカは「楽しく学べる、体験しながら学べる」ということに強くこだわり、ディズニーランドやキッザニアのような、独自の世界観の構築を目指しています。
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このように「楽しい!面白い!」という体験価値に落とし込むことにより、生き物や環境についての知識を少しでも多くの人に届けることができ、地球を救う仲間を増やすことができると信じています。
嬉しいことに、さっそく子どもたちが自ら、新たな行動を起こしています。
2022年3月26日・27日に「よこはまサンゴ礁ラボ」の拠点がある三井アウトレットパーク横浜ベイサイドにて、子どもたちが主催する「みらいの海守る展」が開催されました。
企画者は、よこはまサンゴ礁ラボ卒業生の宮崎陽夏太くん(当時小6)で、「ユニクロとコラボして、自分の好きな海の生き物のイラストをTシャツにプリントアウトして販売し、収益を地域の海に寄付したい!」と、自主的にイノカに企画書をプレゼンしてくれました。
三井不動産様・ユニクロ様にもご協力いただき、実際にイベントを開催することができ、横浜でコンブ養殖を手がけている富本龍徳(とみもとたつのり)さん に収益を寄付してくれました。
地域パートナーやスポンサーとともに運営するイノカ発の教育プログラムから、子どもたちが自発的に行動し、大人や地域コミュニティを巻き込んだ動きに広がり、そして自然に還元されていく。こうした素敵なサイクルがさらに世の中に広がっていくよう、今後も教育事業の発展に力を入れてまいります。
おわりに:パートナー募集
本記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
環境教育という領域にご関心をお持ちいただけましたら幸いでございます。
ぜひこんな方とお話ししたいです!
・イベント開催にご関心をお持ちいただいた方
・コラボレーションアイデアをお持ちの方
・共同でのプログラム構築にご関心のある学校関係者さま
・環境教育に水槽を活用したい教育事業者さま
・運営に携わってみたい方(インターン希望)
・スポンサーシップにご関心がある方
ぜひ気軽にディスカッションいたしましょう!
Special Thanks
クリエイティブディレクター 守屋 輝一
デザイナー 山下さなえ
キャスト 松浦京佑
キャスト 渡部智也
キャスト 江上賢悟
キャスト 南部 剛志
キャスト 田村武瑳士
キャスト 関口達也
キャスト 林知真
キャスト 小杉明日香
日本私立小学校連合会 重永 睦夫 先生