お前って誰なん?5

どうも!高倉JB珈琲のらいです。

お笑い芸人もしていませんし、絵本作家もしていませんし、国内最大のオンラインサロンの運営もしていません。(←知る人ぞ知るパクリ 笑)

さて、そんなこんなで、昨日のつづきです(←昨日の記事はココ

一人で社長室に入ると、社長は何も言わずに社長室にある応接セットを指さした(←今ならコレもパワハラ?笑)

ソファに資料を広げ、私はこれまで準備した来期黒字化計画の詳細、工場原料の手配準備と行動計画、東京支店取り扱い商品の可能性の有無の報告を順序よく終えた。ここまで社長にツッコまれることは無かった。(ヨシヨシ、社長の機嫌は悪くない)この調子で私は、いよいよ新規商品事業(←コーヒー豆)の説明に入った。

マーケティングやプロダクトライフサイクルなど、カタカナが大嫌いで自分の足で稼ぐ系の社長なので、私は極力分かりやすく説明しました。「お金のニオイ」を嗅ぎ分ける能力は高いお方だったので、今後中国でコーヒーの市場が大きくなることには理解していただけた。昔の日本(社長がお若い頃)のコーヒーの流行り方を思い出したのかも知れません(←あくまで私個人の予想です)

が、しかし、But、However、

社長お決まりのセリフが口から出てきた。

社長:「(人の)口に入るモン(←モノ)はアカン!ウチみたいな吹けば飛ぶようなちっちゃい(←小さい)会社が何か(←食中毒)あったら一発や!(←倒産)」

私:「いやでも、コーヒーの食中毒はこれまで事例がありませんし、この市場に気付いているのは今のところウチだけ…」

私の言葉を遮って社長が鶴の一声を発した。

社長:「嫌やったら、(会社を)辞めたらええ!話は終わりや!」

と社長は応接のソファから社長椅子へと戻る…。

ここでまだ押すのが良いのか(←私の本気度を試されているのか?)、それとも改めて出直した方が良いのか、私の頭の中はフル回転していた。恐らく時間にして10秒あるかないかだっただろう。

社長は社長椅子に座ってから、まだソファに座っている私を見て、「何してんねん!話は終わりや言うたやろ!」とすでに感情的になっている。

(アカン、ここは試されているという次元ではない。ここで押しても火に油を注ぐだけだ)と判断した私は広げた資料をまとめ、「失礼します。○日に上海へ戻ります。ありがとうございました。」とだけ言うのが精一杯だった(←10歳?いや15歳?20歳?どれでもええわ!若かったら、社長をボコボコにして本当に会社を辞めていただろうと思う 笑)

社長室から出た私は、そのまま家に帰りたい気分になった。上手く波に乗れば、上海でビルが建つほどの計画なのだ。そのまま、本社の前にある喫茶店に行こうとしたが、たぶん先輩が気にしていくれていると思い直し、海外部へ戻った。案の定、先輩が「どうやった?」と駆け寄って来てくれたが、私の表情を見て、「ちょっと出よか」と私を会社から連れて出てくれたような記憶をしている(←ここからの記憶は私も感情的になっていて、あまり定かではない…)

本社前の喫茶店ではなく、近くのドトールコーヒーさんへ行ったとような記憶をしている(←本社前の喫茶店は国内営業部がお客様と一緒に来ているケースも考慮して先輩がドトールさんにしたと後から気付いた)

あらましを先輩に話したら、「せやろな(←そうだろうね)」と。やはり先輩も予想通りの展開だったのだろう。

先輩:「まぁ社長の肩を持つ気はないけど、フルちゃんの案件をOKしたら、他の案件も出てくるからな。」

私:「いや、他の案件の規模がどんな規模か知らないですけど、初回2000万円の注文でしかも前金の了解を得て入金確認後の手配やから、ウチ(上海現地法人、本社ともに)は、ほぼノーリスクですやん!『特例』という頭が回らんのか?私が社長やったら、『特例』で許可を出して、他の案件が出てきたらこの案件より上回る条件を付けたらええだけですよ!」

先輩:「まあ、落ち着けや。で、諦めるんか?」

私:「諦められませんよ!3回はトライします。それまでは、自分の小遣い稼ぎをさせてもらいます(←黒らい)。実際、日本から送ってもらったり、手持ちで運ぶ程度の量しか出来ませんが、例のレストランさんがコーヒーが止まったら、売上が下がりますし…。」

先輩:「でも、敵さん(中国のコーヒー卸業者)もアホちゃうから、すぐにマネされるんちゃうの?」

私:「その辺も現地で調査もしたんですが、あの某大手珈琲メーカーの上海総合マネージャーですら、コーヒーの味を知らないで業績を伸ばしている背景があって、中国は今、いわゆる「コーヒーが飲める=お金持ち」の図式なので、彼らは中国人がターゲットになっていて、我々は中国に居る外国人がターゲットになっているので競合しないんです。だから、外国人向のコーヒーに関しては、今はウチに丸投げした方が得策と考えている。いずれ、マネはされると思いますが、彼らは今中国大都市へ全国展開し、その後内陸部へ展開している最中なので、それだけで十分儲かっているので、ウチがやることはプラスアルファくらいにしか思っていないと思います。ウチは、その力(←某大手珈琲メーカー)を借りて中国全土の外国人向市場を抑えられる。まさにベストなタイミングなんですよ。」

先輩:「なるほど。ただ、違うアプローチをしたところで、社長がOKは出さんやろから、ちょっと作戦考えんとアカンやろなぁ。とりあえず(会社へ)戻ろか」

私は煮えくり返る腹の内を聞いていただいて、少しは気持ち的には楽になったが、先輩が言うように次の一手について考えはすぐに思いつかなかった。「特例」という案も今日のあの社長の勢いだと、一蹴される可能性が高いが次はそれで行くしかないかなぁ…。一瞬最後の最後は、某大手珈琲メーカーの上海総合マネージャーと一緒に日本に帰国するか?と頭をよぎった…。

つづく…。(続くねぇ~ 笑)




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