書籍発売!『ハイパフォーマーの睡眠技術 Sleep Skill』 〜はじめに〜 無料公開
SleepTechベンチャー、株式会社ニューロスペースの小林です。
まず、この度本格的にnoteをスタートすることにいたしましたのでお知らせいたします。
なぜnoteを始めたのか?といいますと、私たちニューロスペースの睡眠で世界を変えるという挑戦はとても難しいものであり決して直ぐにビジネス化サービス化できるものではない概念も多くあります。そんな中でも、私たちの企業としての考え方や信念そして想いを1つ1つ地道に社会にお伝えしていくことが大切なことだろうと考えたからです。
そして、このnoteを読んで頂いた方々が私たちの価値観に共感を頂き、一人ではなく社会全体で世の中を睡眠で変えていける、そのようになっていければ最高の喜びと考えています。
そして今回の第一弾noteは、2月3日に出版することになりました、睡眠の書籍についてです。
これまでニューロスペースでは企業向けの睡眠改善プログラムを80社以上の企業様に提供をして、健康経営や働き方改革を推進される現場を睡眠という軸から貢献してきました。私自身ももともと酷い睡眠障害で苦しんでいたことが切っ掛けとなりこの大きな社会問題を解決すべくニューロスペースを創業しました。
これまで7年間人々の睡眠問題と向き合ってきましたが、1つ大きな課題感をもつようになりました。それは睡眠問題は一人では解決できないということです。
これまで様々な睡眠改善アプリや計測デバイスそして枕や布団などの伝統産業である寝具が、眠りに困る人々へ提供されてきました。しかし、どれだけ良い寝具や睡眠改善アプリなどが提供できたところで、人々が暮らすこの社会そして文化が変わらなければ、根本的には睡眠課題は世の中からなくならないのだろうと思います。なぜなら、どれだけ私たちが優れたテクノロジーを活用して最適な睡眠時間や質を上げる方法を提供したところで、残業が当たり前、会社の業績を上げるには寝ないで働くべきという文化があったのでは結局ソリューションが実現できず、睡眠がよくなることはありえないからです。
今私たちに必要なことは『人と社会が睡眠を尊重する文化』です。
一人ひとり適切な睡眠時間も朝型・夜型などのクロノタイプも深い眠りの割合も異なるゆえ、睡眠の多様性を社会全体が尊重しない限りは世の中の睡眠問題は決して解決しません。
そしてこれまでは、寝ないで仕事をして発揮できた生産性や売上・利益が資本主義社会の中で競争力をもつ要素でありましたが、これからの時代は違います。
一人ひとりの適切な睡眠を会社やチーム、そして社会全体が尊重することでビジネスパーソンが健康になり、集中力が上がり、生産性が向上し、一人ひとり最適な働き方を実現し潜在能力が最大化されることが本質的な企業の売上や利益そして企業価値向上に繋がります。そのような考え方を本書籍のなかでは『睡眠資本主義』と定義しています。
是非、この睡眠資本主義が社会全体に文化として定着することで、人間らしい生き方、一人ひとりの本来の潜在能力が最大限発揮され、良い眠りをとっている人が格好いい!更には、睡眠がブランドやファッションになる世界を私たちニューロスペースは創造していきたいと思います。
是非、本書籍の最初の部分でその趣旨を感じて頂ければ幸いです!
はじめに
本書を手にとったあなたは、何かしら睡眠の悩みを抱えているのではないでしょうか。抱え込んだ睡眠負債にどう対処していいのかわからなくなっている人、日中の仕事効率が思うように上がらず考えあぐねている人もいるでしょう。
でも、大丈夫です。これらの悩みを解消し、日々のパフォーマンスを最大化させるための取り組みを行っているのが私たちニューロスペースです。いわば、睡眠のプロ。ありがたいことに、弊社が実施している睡眠プログラムを導入した企業からは「日中の集中力・決断力が上がった」「心に余裕が持てるようになった」などうれしい報告をいただいています。
私が2006年に起業したニューロスペースは、テクノロジーでさまざまな睡眠課題を解決するSleepTech(スリープ・テック)事業を展開しています。企業向けの睡眠プログラムを提供し、会社の健康経営や生産性をアップするための業務を行い、これまでANAホールディングスやディー・エヌ・エー、吉野家など80社、トータル1万人以上の睡眠改善に取り組んできました。
約1万人以上のビジネスパーソンの睡眠を調べてわかったことは、ハイパフォーマーほど良質な睡眠がとれているということです。ハイパフォーマーは、会社からの評価だけでなく、周囲の人からの信頼が厚く、もちろん数字での結果も残しています。
本書では、私たちがこれまで取り組んできたビジネスパーソン1万人以上の睡眠改善例やデータ、そして知見を交えながら、より実践的な睡眠改善についての方法を紹介していきます。
睡眠をコントロールし、リズムを整えていくだけで、良い眠りを手に入れることができます。眠気に阻害されず、日中に最大のパフォーマンスを発揮できる技術を手に入れてください。
個人だけでなく、組織として睡眠を考える時代
現代の資本主義社会では、睡眠を犠牲にしてたくさん働き、いかに生産性を上げられるかが重視されています。高度経済成長期から根強く残る古い慣習と成功体験にしがみつき、時代が変わってもなお、眠りが実質的に妨げられているのです。
たとえば、日中に気づかない間に一瞬の眠りに落ちてしまう「マイクロスリープ」という症状があります。このようなことが起きた場合、まずは社員の睡眠不足を疑うべきなのに、「気合が足りていない」などと単純な根性論で片づけられてしまうことが多いのが現状です。多くの問題の根本的な原因が睡眠にあるという可能性に気づいていない人や企業が多すぎるのです。
しっかりと良い眠りがとれていること。それが、一人ひとりの脳・心・身体を良い状態に保つためには欠かせません。一人ひとりの人間の集合体が、会社や学校、さまざまなコミュニティを成していることを考えると、個々の睡眠を改善することは、個々のパフォーマンスを上げ、それが結果的に会社の業績や働く人たちの安心感、対外的な信頼度に直結するのです。
これからの時代は、睡眠は個人だけでなく、組織単位で考えるべき重要なことです。本書では、個々人の睡眠のノウハウだけでなく、睡眠をどのように日々の企業活動の中に取り入れるのかを、組織の視点からも見ていきます。
睡眠をとおして社会を変え、眠る文化をつくる
睡眠は生きていく上での大切な知恵です。
本来、教育現場レベルで指導されていてもおかしくないものなのに、適切な睡眠方法は浸透していません。会社では、従業員に睡眠時間を削ってまで仕事をさせるような文化が続いてしまっているのもまったくおかしいことです。
このような時代錯誤の睡眠文化を変えられれば、社会の根本も変えられるのではないか—睡眠は、生産性アップや幸福感の創造につながる大きな要素です。私は、睡眠を通して歴史に残るような文化を創造したいと思っています。
睡眠を資本と捉え、睡眠文化を創造する—本書はそのムーブメントの始まりであり、大きな挑戦の第一歩でもあります。