#SDGsとウェルビーイング:持続可能な社会を目指す幸せの連鎖
今日は、ウェルビーイングとSDGsの関係について書かせて頂きます。
SDGsは2015年9月に開催された国連サミットで発表され、「グローバル・ゴールズ」として、すべての人々が平和で豊かな生活を送ることができる社会を実現するために、世界中で取り組まれている普遍的な目標です。
そしてSDGsには、地球保護に関する目標も含まれており、これは地球上に住む人々が共有する責任であり、行動指針となっています。つまり、SDGsは、持続可能な未来のために、私たちが取り組むべき重要な課題を示しているのです。
その持続可能な開発目標(SDGs)の中から、目標3「すべての人に健康と福祉を」を取り上げてみたいとおもいます。
目標3の英語表記は、「Goal3 Good Health and Well-Being」となっています。これを日本語訳したものが、「目標3 すべての人に健康と福祉を」です。
この目標の真意について書かれているのが、続くこちらの文章です。
「Ensuring healthy lives and promoting the well-being for all at all ages is essential to sustainable development」
日本語訳では、「すべての年齢における健康的な生活を確保し、幸福を促進することは、持続可能な開発にとって不可欠である」となります。
ここでお伝えしたいのは、「ウェルビーイング」が指すのは、単に健康や福祉のみではないということです。
健康的な生活を送ることはもちろん大切なことですが、ウェルビーイングは、身体的な健康だけでなく、精神的・社会的な健康や、生きがいや幸福感なども含めた総合的な概念です。
SDGsの目標3を達成するためには、私たちは単に病気やけがを予防し治療するだけでなく、誰もが幸福な人生を送れるようにすることが求められているのです。
1998年に過去最多の票数でアメリカ心理学会会長に就任したポジティブ心理学の創始者であるセリグマン博士は、「これまで心理学の領域では踏み込んでこなかったポジティブな領域、つまりウェルビーイング(幸福)な領域にチャレンジしようではないか」というマニュフェストを掲げ、ポジティブ心理学で最も重要視されているテーマ『ウェルビーイング』に取り組みはじめました。
そこで、フロー理論を確立したチクセント・ミハイ博士など多くの学者が研究を重ねたどり着いたのが、ウェルビーイング(幸福)になるための心理状態である『PERMA』です。
セリグマン博士は、「心身ともに健康で、社会的にも良好な状態であること」がウェルビーイングであると述べています。
同様に、世界保健機構WHPでも、健康の定義を「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう」としています。この「満たされた状態」が、ウェルビーイングの状態を表しているのです。
セリグマン博士は、ウェルビーイングについて、こうもお話されていました。「私たち一人ひとりがウェルビーイングな状態となり、それが家族、仲間、組織、社会、国家へと伝播していくことで、ウェルビーイングな世界が実現していく」。つまり、ウェルビーイングとは、わたしたち一人ひとりから始まるものなのです。
happinessは刹那の快楽であるのに対し、ウェルビーイングは持続的な幸福を指します。今を満たし、未来にかけて、その幸せな状態が続いていくことを目指します。
最近では「ウェルビーイング」に、働き方改革や健康経営、ウェルネス経営、ESG投資といった時代の流れが加わり、世界で注目が集めっています。
そのような中で私がお伝えしたいことは、「一人ひとりが幸福な生き方を追求すること」がウェルビーイングの本質であるということです。
著書『たとえ明日終わったとしても「やりのこしたことはない」と思える人生にする』では、自分なりの幸せ(ウェルビーイング)に向き合っていただけるように36の質問を投げかけています。
「一人ひとりが幸福な生き方を追求すること」が、持続的な幸福、つまりウェルビーイングに繋がります。
SDGsの目標3も、「すべての年齢における健康的な生活を確保し、幸福を促進すること」が、すべての人々が平和で豊かな生活を送ることができる社会の実現には欠かせないとしています。
私たちは、自分自身が幸福であることを大切にし、家族や周りの人々、社会へと幸福を伝播させていくことで、より良い未来を築いていけるのではないでしょうか。
これから私の考えるウェルビーイング(4つのLがPERMAで満たされた状態)について少しずつ書いていきますので、お読みいただけたら幸いです✨
ウェルビーイング・アカデミア
杉村貴子